SCSIDNIKUFESIN

19 Apr, 2012

▼お久し振りです。自然消滅してません。ヤメるときはヤメますと宣言しますので、そうでなくして更新が途絶えたら、優先順位の勝る別のものに取り組んでいるか、生命活動が滞っているかのどちらかだと思ってください。今は元気にこれを書いているので当然前者で。
その間の収穫もちょっと分からなくなりつつありますが、たぶん全部どこかのブックオフかサウンドベイ上前津バーゲン棚でALIEN「ALIEN」(北欧メタルブーム隠れ名バンド93年作)、STATUS QUO「AIN'T COMPLAINING」(88年)、外盤買い替えのYNGWIE MALMSTEEN「MARCHING OUT」「ODYSSEY」。1枚だけ通常棚からDEEP PURPLE「COME TASTE THE BAND 35TH ANIVERSARY EDITION」これは嬉しい買い物。あとは1月にイギリスのネットショップに注文したGENESISとFOREIGNERのTシャツがまだ来なくて、ジェントルかつ的確な抗議の英文をどうしたらよいか考えるのが面倒で放置中です。
▼DOIMOIレコーディング開始しています。予定通り終わりますように。と願いながら、まだ曲を作っています。そしてアー写的なものも今月はじめに撮ってもらいました。って話前回書きましたが、本番では使わない記念写真だけフライングで載せておきます。
やってみたかった。

本日のレビュー:YNGWIE MALMSTEEN「MARCHING OUT」

「国内盤で昔揃えてしまった人達を諦めずに少しずつ外盤買い替えしていこう事業」の一環で購入した85年2nd。の外盤。古いPOLYGRAMは横も後ろも趣きがあります。ジャケのインギー、まだ若い盛りですが結婚指輪してますね。この頃は1人目の妻エリカさんでしょうか。
とこのままプロダクトとしての盤をいじり倒そうかとも思いましたが、内容が素晴らしいので内容のほうを。まず布陣。ヴォーカルはTALISMAN、TAKARA、EYES、AXEL RUDI PELLなどなど数々のバンド/プロジェクトを転々とする仕事人シンガーのジェフ・スコット・ソート。ジョー・エリオット(DEF LEPPARD)やゲイリー・バーデン(MSG)的な高域のザラつきに好みが別れる声ですが、そのあたりも含めて、いるだけで醸し出す独特の存在感はおおかたのオールドメタラーに愛されるところでしょう。ベースはのちにジェフとともにTALISMANを結成する故人マルセル・ヤコブ。グボグボと 逞しく歪んだトーンで、テクニカルなパッセージのユニゾンでもガッチリ地固めしてくれる名手でありました。でドラム&キーボードは名物ヨハンソン兄弟。正直アンダースのほうは特筆すべき点がよくわかってませんで、イェンスも光るのは次のアルバムですが。いくらマーク・ボールズのハイトーンに頼りがいがあろうと、ヨラン・エドマンがか弱き哀愁を放とうと、この顔ぶれが1枚のアルバムに揃っていると思うと「おお最強」と思ってしまいます。
そして、まだマイアミの太陽による標準化が進んでいない、楽曲のアクの強さ。近頃はネオクラシカルの元祖だと思ってイングヴェイの初期作を聴いて、あれっツーバスドコドコとピロピロツインリードどこ?と失望する若いリスナーもいるんじゃないかと思います。それくらい、いわゆるメロスピとは別のもの。ジミヘン、リッチー・ブラックモア、ウリ・ロートをルーツに持ち、ABBAをこよなく愛したりもするインギーですので、どこかの某ドレ・某ダーセンや某モ・某ルキによる二次創作で純正培養されたような近親相姦メタルとは意識が違う。曲の流れに平気でボコッと穴をあける大きめのブレイクやら、オブリガードとリフの間をいく思いがけない単音ユニゾンの地鳴り感、爽やかにスリップするような転調やテンションコードの使い方など、基本的におしゃれなのです。
何がしかのオリジンにあたるミュージシャンって大抵、後続連中が真似をしたがる部分とは別に、もっと違う音楽から吸ってきた養分がどこか(本筋ではない部分)に花開いていて、そのお陰で囲いの中のフォロワーには絶対できない「次の新しい一手」を打てたり、または「ずっと同じだけど圧倒的」であったりするものだと思っています。テクニックを誇示するプレイヤーであることはもうその通りですが、そのことに隠れてあまり取り沙汰されない旨みの部分を、非メタラーの方にも垣間見ていただきたいところ。