SCSIDNIKUFESIN

2 Apr, 2012

▼まだ宿題山積ですがたまには落ち着いて更新してみます。
1日日曜は栄Party'zにて三重のANCHORSレコ発。去年DAIEI SPRAY目当てで行ったイベントで初めて見て以来気になる存在だったANCHORSですが、今回メインアクトとして長尺でじっくり見て、相当心揺さぶられました。それこそCLIMB THE MINDが「よく晴れた~」をリリースする直前にKDハポンで見たときの「全曲いい曲だし、何だかもはや大物の器だけどこれ何!?」という当惑まじりの感動を思い起こさせられるような、名曲+熱演オンリーのライブ。under25のやり手サポートドラマー氏が入って(いつもDOIMOIのTシャツを着てくれているとのことで感激)美麗アンサンブルに若々しいダイナミズムが激盛りされたfolio、並ぶ者がない域までアダルト化が進みまくるroom501、と自分達の総勢4組というコンパクトなイベントでたいへん楽しく過ごせました。ANCHORSの新作音源もトレードしてもらえて、それはまた次の更新でちゃんとご紹介します。凄くいいです!
▼同日午前中、ノーベル賞マネーでシュッとした建物が増えまくっている某母校にて、アルバムリリースに向けてのいわゆる「アー写」撮影。仕事人・三浦君の敏腕っぷりによりサクサクと進み、2時間程度であっさり完了。ナードで売ろうとしているくらい素でナードな我々が、ロケーションの力で「どう撮ってもシュッとしすぎて困る」などという悩みに苛まれる奇跡が起きたりしましたが、最終的にイメージどおりのものになりました。でハローキッド改めもえはんで昼を済ませてそのまま一時解散。もえはんのランチ、良かったです。あとこの日は特に誰も騙さず正直に過ごしました。
▼本日2日月曜、二度の延期を乗り越えてようやくANTHRAX名古屋公演。今でこそジョン・ブッシュ派ですが、10代の頃はもっぱら憧れたジョーイ・ベラドナ入り編成を約20年越しにいよいよ体験できるとあって相当楽しみにして行きました。
まず前半は元PANTERAのヴィニー率いるHELLYEAH。ゴキゲンヘヴィリフ+ちょっと激情エモっぽいサビ、というステレオタイプもいいとこな音楽性はいかんともしがたいながら、コイツが90年代ヘヴィミュージック(=わたしの青春)の歴史をひっかき回してきた張本人の4分の1か~と思いながら見るヴィニーはとても感慨深いものがありました。おしゃれモミアゲと気の良さそうなバンダナで、超笑顔で叩いてましたけど。どんなフィルを入れてもめちゃくちゃシャープで上手かったなー。ヴォーカル氏は「オマエらが乗らないと満足しないぜ」で押す系のパフォーマンスで、ずーっとMake some noiseしか言ってなかった気がします。
▼でANTHRAX。ジョーイは元々中高年顔なので昔見ていた写真と全然変わってなくて、超音波ハイトーンはさすがに控え気味だったけど充分パワフルに歌えてました。スコットも少しふっくらして、これまた変則的なカットを入れたおしゃれモミアゲ。最近はこれがスタイリッシュなのか。典型的「つり眉タレ目ハンサム」のフランキーがまたロングヘアにしてくれたのは嬉しい。チャーリーは一時期以降相変わらず、リードギターのロブは余り素性知らず。
セットリストはジョーイが戻った最新アルバムが3割、旧曲が7割くらいという妥当なもの。Youtubeでは"Only"を歌ってる動画なんかも上がってますが、この日はジョン・ブッシュ時代の曲はゼロでした。まだまだ序盤というタイミングで起爆剤の大名曲"Indians"が入り、その前のMCでさんざんジョーイが「いいか次wardance(註:中間部のモッシュパートのはじめにそういう叫びが入る)だぞ、何言ってるか通じてないっぽいけどまあいいけどこれwardanceだからな」と4回くらい念を押したにもかかわらずサークルモッシュを起こさない客にキレて(演出)演奏が中断、スコットが「おい、俺達ANTHRAX。これ今やってる曲"Indians"よ。この辺(中央前列付近)の奴ら、OK。そこ(左端)、そこ(奥)、そこ(右端)の奴ら、どうなってんの、俺はおめーらのクソでっかいモッシュが見たいの!わかったか!」と説教をするという一幕も。無論イヤな気はせずテンション上がる。
シャキシャキとクールに煽るジョン・ブッシュ時代とは違い、ジョーイは前列の客とおもしろおかしいジェスチャーでコミュニケーションを図ったり、曲中のブレイクで歓声が欲しいタイミングを大袈裟にアピールしたりと、ちょっと楽しげな雰囲気が感じられたのが印象的でした。アンコールの"N.F.L."だったか、間奏のあいだに前列の客からメガネを拝借し、それをかけたままワンコーラス歌うなどのサービスも。ワタシは運よく、さしだした手の平をパシッとやってもらえましたよ。
演奏はまったく衰えるところがなく、特にチャーリーがリズムチェンジと同時にBPMがズレる癖をまったく発揮しなくて、"Caught In A Mosh"とかがめちゃくちゃ快適に聴けました。まさかのファースト1曲目"Deathrider"をやってくれたんですが、「GREATER OF TWO EVILS」バージョンのような低速アレンジは挟まず全編高速ツーバスをやり遂げてくれたのには感動(最後のほうさすがに疲れ気味)。スコットは全部ダウンで弾いていると思っていたバッキングを結構オルタネイト交じりでやっていて、ただしストロークを変則的にすることで安易なかき鳴らし感を回避するなど、なるほどという工夫が(今更ながら)散見されました。
意外な懐かしいレパートリーはそのほか"Medusa"など。ジョン時代に見たライブでは何故かメドレー形式でしか聴いたことがなかった"Among The Living"もフルで聴けて満足です。ラストは"I Am The Law"でシメ。二度にわたる延期をかましたせいか、感謝の言葉を述べる表情はわりと真剣でした。特にジョーイは、バンド離脱中相当な辛酸をなめてきただけに尚更そういう感じがしました。結成から30年、スラッシュ四天王の中では全盛期以降のセールス的落ち込みが最大で浮かばれない時期も過ごしたけど、こうやって名曲が山のようにあって、力のこもったカムバックアルバムを作れてそれを元気に演奏できる身体もあって、シャイだがちゃんと熱烈歓迎してくれる海の向こうのファンがいて、幸せじゃないかANTHRAX。と余計な感慨まで噛み締めてしまった次第。胸いっぱいで向かった千種Rは汁なしがデフォルトで濃い目気味でうまかった。