SCSIDNIKUFESIN

1 Jun, 2015

▼最近の収穫、どこかのブックオフでTESTAMENT「RETURN TO THE APOCALYPTIC CITY」、オフィシャルサイトから直接購入したMARAGOLD「MARAGOLD」(グレッグ・ハウ!)。中学時代に初めてかその次に買ったBURRN!のレビューで見て、何だこのジャケはと引いた思い出の品。

▼半自作機材の続きです。前回分(VOX Pathfinder10から取り出したアンプヘッド+12"最小キャビ)はこちら

ハイゲイン化、マスターボリューム追加、ヘッドフォン端子のスピーカーアウト化という定番の改造を施工済みだった「小マーシャル」でおなじみのミニアンプ・MARSHALL MS-2を、このさい外部キャビありきで使うことにして極小ヘッドにしてしまおうと思い立ち、スピーカー部分を切り離してガワを作ってみました。

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土台に木板の切れ端、その他全体の囲いにスピーカーグリルの余りのアルミメッシュを使ってます。出力は1Wということで、部屋弾きには最適な音量。改造のおかげでかなり気持ちよく歪みます。恐ろしくラフな作りですが、一応感電したりは(今のところ)しません。

写真ばかりでも何なので、前回作ったVintage30×1発の極小キャビにつなげたサンプルを録ってみました。撮影と録音はiPhone、ギターはBILL LAWRENCE L-500が載ったHAMER、シールドはBELDEN 8402でエフェクターなしのアンプ直差し。
パラレル接続のハムバッカーでノーマルChゲイン最大 → ドライブChクランチ → ドライブChゲイン最大 → ピックアップをパラレルからシリーズに切替、という順で音出してます。

ついでに前回のPathfinder10ヘッドのサンプルもどうぞ。こちらはドライブChのローゲイン → クランチ → ゲイン最大 → 最後にピックアップをパラレルからシリーズに切替、の順です。

試奏は基本KING'S X。

▼ここでPathfinder10のスピーカーと、MS-2のスピーカーが余るわけで、2つつなげて2発のキャビにしようかなと、適当にアルミメッシュの残りにくくりつけて結線~音出ししてみるも、やはり使いどころ不明なクオリティ。そこで「スピーカーとマイクの原理は同じ」という話を思い出し、更にこういう物があったことも思い出し、これはバスドラ録音用の補助マイクなのだということにしました。

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本当に使い物になるのか、甚だ謎ですが。台座は、余っていたPCのディスプレイの足をカッターナイフで原始的に加工して作りました。持ち運び時のコンパクト化を考えて、スピーカー部分と台座はファストン端子で簡単に切り離し可能な仕様になってます。ついでに2つのスピーカーも、小さい方につけてある銅線の先を、環状にしてハンダで固めて抜き差しできるようにするという粗野な方法で、どちらか一方だけでも使えるようにもしました。

ちなみに、スピーカーやヘッドホンの類をマイクに転用できることを初めて知ったのは、『EXTREMEの3作目の収録曲"Stop The World"のギターソロは、ヌーノが滞在先のホテルで、ヤングギター編集部にもらったMS-2のスピーカー部分にヘッドホンをかぶせてMTRで録ったそのテイクがそのままアルバムに使われている』という話を中学時代にヤングギター誌で読んだときでした。何度思い出してもいい話。

本日のレビュー:MARAGOLD「MARAGOLD」

マイケル・ジャクソンの客演ギタリストを務めたこともあるSHRAPNELフュージョン派のトップランナー(?)、グレッグ・ハウがひさびさに組んだ4人編成の歌ものバンドです。2013年リリースの1st。「男まさり系女性シンガーが歌う、ちょっとファンキーな要素もありつつそこそこ今っぽいオーソドックスなロックサウンド」などと書いてしまうと、どこまでも引っかかりのなさそうなツルッとしたやつを想像しますが、このバンドに限っては、かぎかっこ内に書いた全ての要素がプラス方向に効いていて大変素晴らしいのです。

まずヴォーカルが、メタル界隈によくいるしゃがれクイーンの域に踏み入る一歩手前の、恐ろしくドスが効きつつ粗野な野太さとは違う超パワフルな歌い手。無理やり例えるならサス・ジョーダンをうっすらレディ・ガガに寄せた感じでしょうか。どんな微妙な質感もコントロール下にあるような完璧な歌唱です。これは凄い。

曲はおおむねラフなアメリカンロックスタイルの範囲内ながら、ほどよくウェットなコード展開なりメロディなりが挟まってきて、プレイヤーズ・ミュージックに終わることのない作り込みとツブ立ち。フックがはっきりしてるおかげで似通った曲が続く印象もなく、演奏の技巧性にフォーカスせずとも普通に音楽として充実してます。そこが良いからこそ今回新品で買いました。「辛口なMR. BIG」てな風情もあるでしょうかね。
ソロパートは特別多めに設けられているわけではないのですが、曲の自然な流れの中でいい仕事をしているとの感。ワーミー+バカテクでアクロバティックに煽ることもあれば、そういうのが必要ない曲では丁寧なニュアンス表現に徹してます。ガスリー・ゴーヴァンなどなどとんでもない技量の新世代も台頭する中、ひけをとるところは全くないのではと。御大今年で51歳。

やたらガチガチに詰められた音圧病っぽいサウンドプロダクションだけ、何だかインディ感があって少し残念。展開ごとにバッキングの音色を細かく変えたりして、いろいろ凝ってはいるのですが。発売から2年経ってどのくらい成功しているか分かりませんが、もう少しグレードアップした環境での次回作をぜひ期待したいところ。

バンドの作風を象徴するアルバム冒頭曲。

メロウというかルーズめな曲もいい雰囲気。

こちらはRAGE AGAINST THE MACHINE風。メイクは何なのですか。

13 May, 2015

▼最近の収穫、ブックオフ東別院にてARMY OF ANYONE「ARMY OF ANYONE」、同みなとカインズモール店にてMICHAEL BOLTON「MICHAEL BOLTON」(超メロハーな1983年作)、WILLIE NELSON & LEON RUSSEL「ONE FOR THE ROAD」。ARMY OF ANYONEは送料かかってもマーケットプレイスで買おうと思ってた品でしたが、忘れた頃に280円で捕獲。よし。詳細はレビューで。

▼ときどき盛り上がるDIY熱により、ついに以下のものを作りました。

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ギターアンプですな!

キャビ

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なりゆきで1個余らせたVintage30を、とりあえず何かの箱に収めて線つなげばキャビになるじゃんと思って作ることにしました。

木工については素人なので、筐体はちょうどいいサイズで組み立て済みのものを探しました。結果、ほぼジャストサイズの木製プランターを見つけてそれをオーダー。
» WOODPRO スクエアプランター
底板に水ハケ用の穴があり、インプットジャックの取り付けに尚更ちょうど良し。木材自体は柔らかめですが、2cm強も厚さがあるのでOKとします。買ってきたL字金具や、会社の大掃除でもらってきた謎の金属パーツ(外付けドライブなどに付属してくる固定用部品と思われる)で随所を補強し、内側の四隅に配した角材でフロントの板を固定するという構造に。意味なさそうですが内側には、いちおう吸音のため(絶対ロクな箱鳴りはしないだろうと踏んで)、アスカコーポレーションで買い物するとついてくるイボイボ緩衝材を貼ってみました。

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スピーカーを固定するための丸穴つきの板は、道具がなくては自作も難しそうで、こちらの店でオーダー。
» ストーリオ 日曜大工応援隊
深く考えずタテヨコの長さを箱の内寸とまったく同じにしたところ、マイナスドライバーを隙間(ほぼない)に突っ込んでガシガシやらないと取り外しできないという不便な仕様になってしまいました。めったに外さないので問題はなし。

スピーカー保護用のネットは、最初にホームセンターで買ってみた園芸用のネットがピシッと張れなくて、車の改造用のアルミメッシュに落ち着きました。端っこは微妙に浮いてますが、なかなかサマになります。

ヘッド

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うっかり新品を探して買いそうになったのをグッとこらえて、ためしに手持ちのVOX Pathfinder10のアンプ部分だけを抜き出してつないでみたところ、チョリチョリジリジリして使えないと思っていた歪みチャンネルで実は最高のハードディストーションが鳴らせたことが判明。特に思い入れのないACシリーズ風の筐体から取り外し、プランターを買ったのと同じ店で再度調達した板で外装を製作しました。キャビ上部につけた取っ手がちょうど隠れるようになってます。

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底面が微妙なことになってますが。寸法を間違ってオーダーしてしまい、ヨメさんの実家から奇跡的に掘り出されたぴったりの板と、足りない分をカマボコ板で埋め合わせました。
背面はスピーカーアウト×1と電源コードのみ。

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トランジスタの10Wといえどなかなか強力で、Vintage30との組み合わせは相当のパワーが出ます。残念ながら自室ではボリュームの目盛り1以下で弾いてます。
キャビのほうは内側にとにかく空間がなく、なおかつ完全密閉なので低音は全然出ません。しかし集合住宅でドゥクドゥクやるわけにもいかないのでそこはむしろ希望どおり。次はこのキャビがすっぽり収まる別の密閉箱を調達して、レコーディング用のサイレントボックスにならないかな~と目論んでいたりします。

以下さらなる詳細。
Pathfinderの回路はLEDクリッパーが入ってます。弾くと光るその姿を初めて見て、これかーと感心しつつ、LEDを外して歪み方をナチュラルにする的な改造法があるというのでやってみましたが、LEDあり状態の、ブリッジミュート時に膨らみがちな低音がゾリッと剃り落ちるのがむしろ気持ち良かったのになあと思って、結局再装着しました。小さい音で使わざるを得ない人は外さないほうがいいでしょう。あとはスピーカーアウトまでのケーブルをBELDENにしたり、グラウンドまわりで基盤裏に直接配線を追加するなど手を加えてみましたが、まあ効果は不明。

コスト

製作期間はネット通販の待ち日数を含めて2~3週間、かかった費用の総額はたぶんちょうど1万円前後(スピーカーおよびアンプヘッド本体を除く)。はじめから目的は100%自己満足のためだったので、総評は「満足」です。どうもでした。

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ジャーンと鳴らした3歳児の感想「音おっち(き)すぢ(ぎ)」。

本日のレビュー:ARMY OF ANYONE「ARMY OF ANYONE」

卓越した器用さとまとめ能力でグランジブームにいちはやくキャッチアップし、図ったかのようにブレイクしたSTONE TEMPLE PILOTSのギターとベース、ミクスチャー/デジロックの機運にいかにも便乗して現れたようでいて、意外とメロディックな方向への懐も広かったFILTERのボーカル、そしてシュラプネル(速弾きギター専門レーベル)系の裏方仕事をスポットでこなしてきたドラマーという、「センスある仕事人」なメンバーが揃ったプロジェクトの1枚限りのアルバムです。2006年リリース。

ガッツリ高い方まで歌えるシンガーを得たからか、少しSOUNDGARDENっぽいオールド・タフロッキンな質感のあるへヴィグル―ヴ・ポストグランジな作風がメイン。ドラムだけメタル畑出身ということで、ヴィニー・アピス的な細かいパワー・フィルを時々炸裂させます。グランジ世代特有のエモっぽくない浮遊系メロディ感が全体に敷かれていて、ゴリっとした楽器のアレンジと美しく合金をなしているところが大変好きです。QUICKSAND~RIVAL SCHOOLSやFAR、FAILUREあたりをAUDIOSLAVEに寄せたものという感じでしょうか。と思ったらミックスがケン・アンドリュース。これはその手が好きな人はマストでしょう。Wikipediaによると「それぞれが元のバンドに戻る(レイ・ルジアーはKORNに加入する)ためにアルバム1作のみで終わってしまったが、メンバー同士は連絡を取りあっており、都合があえば次回作を作りたいねなどと話している」的なことが書いてあったので、無期限で気長に待ってみたいところ。

3 Apr, 2015

▼最近の収穫、奈良Neverland近くのブックオフでHEART「PRIVATE AUDITION」(82年)、JOHN 5「VERTIGO」(ex.DLRバンド~MARILYN MANSONのギタリスト、2004年ソロ)、EDDIE MONEY「CAN'T HOLD BACK」(86年)、ABRAXAS POOL「ABRAXAS POOL」(ニール・ショーン&グレッグ・ローリー)、takara2nd.jpgGLENN MEDEIROS「GLENN MEDEIROS」(92年)全て500円。横浜Galaxyから徒歩20分のブックオフでTAKARA「TASTE OF HEAVEN」(壮絶なジャケのオリジナルLONG ISLAND盤!)、COLIN JAMES「COLIN JAMES」、BLUE MURDER「NOTHING BUT TROUBLE」(ようやく外盤買い替え)をいずれも280円~500円で。遠征先の好収穫は嬉しい。どちらもDOIMOIのライブで行きました。初めての土地なのにびっくりするくらい温かく迎えてもらえて、深く感謝。

追記:その後サウンドベイ金山にてNELSON RANGELL「PLAYING FOR KEEPS」、MICHAEL McDONALD「SWEET FREEDOM」。

ちなみに今後のライブは4月に名古屋で2件決まってます。重要!いずれも充実の内容につき、よろしくお願いします。

4/4 (sun.) 名古屋 栄 タイトロープ
open/start 18:00/19:00
football, etc.(US), malegoat, akutagawa, Doimoi
前売¥2,500 / 当日¥3,000 (+1D)   17:30開場 / 18:00開演
4/25 (sat.) 名古屋 栄 タイトロープ
open/start 18:00/19:00
xerowound, folio, climb the mind, waganize, Doimoi
前売¥2,000 / 当日¥2,500 (+1D)   17:30開場 / 18:00開演

ご予約はホームページのメールフォームから。スマートフォンからも快適に使えます。

ycable.jpg▼少し前、ボリュームペダルをエクスプレッションペダルとして使用できるYケーブル(=写真)を自作して以降、空前のハンダづけブームがやってきました。余らせていたBELDEN 9497(スピーカーケーブル)の撚りをちょっと緩めて、とりあえず手持ちのギターアンプ用外付けキャビの内部配線を交換し、まだ余るのでオーディオのスピーカーの内部にも使ってみたり、やや太め(18AWG)の安い線を買ってきてパワーサプライ用の短いDCケーブルを自作したりと、家族が寝たあとの居間を夜な夜な焦げ臭くしております。

そう、毎日だいたい21時以降は我が家で起きてる人間がワタシひとりになるので、自室に籠らなくても広々した居間にいればいいじゃないかと、パキシエルをパキッとやりつつ適当な録画(「伊藤政則のロックTV」、「SONG TO SOUL」、その他ヨメさんが録ってるドラマ)も見つつ、Guitar WorldPremier Guitarが提供してくれるネタでギターの練習に励むのがこのところのトレンドになっています。今気になる人はTroy Grady

▼以下、機材の話は嫌いじゃないという人は、この行をクリックしてください。省スペースのためにおりたたみました。
無駄!と思ったらもう一度クリックして閉じてください。

はい、ありがとうございます。

DCケーブルについては、線材の違いで高域が!ミッドが!締まりが!とあやしい期待をするつもりはなく、ちゃんとした電圧で動けばよいという考えのみ。心なしか音量がアップしたかも知れないが、十中八九プラシーボ。手持ち機材のここ、まだ良くなるんじゃないか?などと深夜にPCの前で血迷って、高価な既製品をポチッとやる心配がなくなっただけよし。

いっぽうオーディオスピーカーの内部配線については、けっこう明確に変化があった気がします。モニター用の(往年の)定番、YAMAHA NS-10Mをリスニング用に日常使いしてるんですが、プレゼンスがメチャクチャ立つようになったとともに、アタックの破裂感が何者にもつっかえずにポン、トンと気持ちよく出るようになった気が。主に後者のおかげで打楽器の存在感が自然になり、それ以外のパートとの分離も向上。バスレフなし密閉型スピーカーで情報量を増やすとアタックの圧が増すというのは、理にかなった変化かと思います。もともと入っていた線はけっこう細いものでしたし(=写真)。関係ないですが、きょうびよく見る樹脂製の結束バンドではなくて、糸を結んでケーブルが束ねてありました。時代!

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後ろの端子板にナットを噛ませてすきまを作って、簡易バスレフ化するという定番のプチ改造があるらしく、それも試してみましたが、せっかく良くなったアタックのキレが感じづらくなる気がしたうえ、低いほうまでバランスが整う代わりに高域の見通しが心なしか妨げられて(慣れもあるかも知れませんが)ミックスには不向きに感じたため、これまでどおりサブウーハーとの併用で据え置き。中高域のシビアな作り込みのためにNS-10Mはあの特性なんだなと納得した次第です。巷じゃ老害のごとく嫌われていますが。

自室のリスニング環境が良くなったので、年末に大掃除を諦めたきり悪化している有効床面積減少の危機を何とかせねばならない。

▼現在、更なるDIY工作に着手してまして、これは完成したらがっちりレポートさせていただきます。

本日のレビュー:COLIN JAMES「COLIN JAMES」

カナダ人ブルーズロッカーの88年1st。リリースはVIRGIN。一か八かのいいほうかな、とりあえずギターはうまそうだ、と思って試聴音源を探してみたら正解でした。

のちにビッグバンドを率いてブライアン・セッツァー的なオールド不良アメリカン路線にも行くそうなのですが、その片鱗が伺えるシングルコイルジョキジョキのロックンロールが全体の8割。しかし冒頭を飾るのが、時代柄なのかレーベルの思惑なのか、ブルース・スプリングスティーンを思わせる爽やかメロ+男汗+サックスな曲で、ラスト前にはFIREHOUSEをアレンジだけ枯れさせたようなバラードもあり。加えて声質があまりオヤジくさくない、というかちょうどよく青二才感を漂わせる軽めなタイプで、メロハー耳にも聴きやすい。

リードギターは、ヒーロー級の目が覚めるような冴えがあるというほどではないものの、じゅうぶん耳に愉しいレベル。客演陣は手堅く仕事してます。プロデュースがやたら豪華で、ボブ・ロック、ダニー・コーチマー、トム・ドウドが曲によって入り混じり、エンジニアにはマイク・フレイザーの名前も。

ブライアン・セッツアーに飽き足らなくてブライアン・アダムスなんかもちょっとスキという人、基本ハードロック専門だがUSオールディーズ流儀のギターがライトに聴けるようなものも手を出してみたいという人には(2つ合わせても凄くニッチですが)強くおすすめ。

17 Feb, 2015

▼もう2月ですが、あけましておめでとうございます~。生存しています。引き続きよろしくおねがいします。

かかりっきりになるようなタスクがあったのかというと、StiffSlackホームページの再リニューアルに正味数日間取り組んでいた(9割方完了、公開はまだ)くらいで、あとはおおむね平常どおりに過ごしております。「平常」というのはギターの運指&ピッキング練習法開発と練習、バンドの曲作り(への努力)を含みます。実践するアテもなく、アドリブをまともに弾ける練習をずっと真面目にやってるんですが、使い道ないでしょうか。セッションイベントとか、実はいつでも待っています。

ライブも2~4月はけっこう決まってます。バンドのホームページにてご確認をば。

物色癖が抜けたままでCDあまり買えてないですがここ2ヶ月分くらいの収穫は、サウンドベイ金山および上前津でCHRISTOPHER CROSS「ANOTHER PAGE」、OLIVIA NEWTON-JOHN「THE RUMOR」(88年)、ARCADE「A/2」(ex.RATT、94年2nd)、GEORGE BENSON「LIVIN' INSIDE YOUR LOVE」「WEEKEND IN L.A.」、CARL ANDERSON「AN ACT OF LOVE」、DAN HARTMAN「I CAN DREAM ABOUT YOU」、新宿ディスクユニオン2店舗で21 GUNS「SALUTE」(ex.THIN LIZZYのスコット・ゴーハム)、MARC BONILLA「EE TICKET」、SEPULTURA「KAIROS」、JAMES TAYLOR「JT」、今池P-CAN FUDGEでJETHRO TULL「TOO OLD TO ROCK'N'ROLL: TOO YOUNG TO DIE!」「STORMWATCH」「CREST OF A KNAVE」、ART GARFUNKEL「LEFTY」、GEORGE BENSON「GIVE ME THE NIGHT」、バナナレコード本店でRANDY GOODRUM「WORDS AND MUSIC」、ブックオフ栄スカイル店でMAURICE WHITE「MAURICE WHITE」、QUINCY JONES「THE DUDE」、CARL ANDERSON「FANTASY HOTEL」。

▼そういえば去年仕上げたioueeeの新ネタ(シングルリリースした気分の全2曲)、とっくにsoundcloudに上げててあんまりお知らせもしてなかったので、改めて貼っておきます。

はい貼れました。便利やら味気ないやら。

▼以下、今更感が凄くてすみません。一応毎年やっていたので「2014年に物色した音源ベスト」を簡単にまとめてみます。タイトルが色つきのものは過去のレビューに飛びます。

JAMES TAYLOR「THAT'S WHY I'M HERE」
JT氏最高です。アレンジや録音など雰囲気が整えばそれなりに楽しめてしまうことも多いAORですが、JT氏の「この曲にこのツカミ」と強力に印象付けるソングライティングは比類なし。むろん声も雰囲気要素も完璧。

JANIS IAN「RESTLESS EYES」
作者自身による低評価がまったく理解できない、フォークロックあがり・前向き・サッパリ系AORの大傑作。バジー・フェイトン先生もちょっと参加。

140502.jpgFREAK KITCHEN「DEAD SOUL MEN」
今までどうしてチェックしていなかったのかと悔やんだバンド・ナンバー1でした。ポップさ、へヴィさ、テクニック/ギミック(の良い使い方)が相互に深くまで組み合いながらも洗練極まる音楽性。

140310.jpgJOHN FARNHAM「AGE OF REASON」
オーストラリアのAORシンガー。2014年の歌うますぎ大賞はこの人に。ルー・グラム風のソウルフルなハイトーンで、派手なインターバルを挟んでも完璧なピッチ。バックを務めるブレット・ガースドのギターも地味に超絶です。

2014best-02.jpgAMERICA「HOMECOMING」
土臭くない爽やかな郷愁を漂わす、多重コーラス活用型フォークロックグループ。イントロのワンフレーズで名盤確定のやつ。この手のものには、たまにグイッとつかまれます。

140316.jpgENSLAVED「RIITIIR」
元祖ヴァイキングブラック、ベテランにして堂々たる快作。エクストリームメタルの可能性はとっくに閉じたと思ってましたがこの人達は未だ開拓中。

2014best-03.jpgBUZZ FEITEN & THE WHIRLIES「WHIRLIES」
2000年前後、急に活発になりだしたバジー・フェイトン大先生のバンド作品。94年くらいのごくオーソドックスなおじさんロックにしか聞こえませんが、溢れる「もう一度立ち上がった感」が泣けるし普通に好き。ヴォーカルがもっと逸材だったらなあ。

2014best-04.jpgCRISIS「DEATHSHEAD EXTERMINATION」
昔のシュミーアを更に死にそうにしたような壮絶なヴォーカルを聴かすカリン・クライシス嬢のあやしいへヴィグル―ヴスラッシュ?バンド。えげつない女性メタルの系譜としては、GREAT KATを凌ぐ衝撃でした。

2014best-05.jpgART GARFUNKEL「WATERMARK」
サイモンと~ から独立後はいい感じのAOR路線に行っててナイスなこの人。ソフトな声質を活かした優しい楽曲群がよろしいです。

140626.jpgBRAD MEHLDAU「HIGHWAY RIDER」
世間でも高評価、入魂の2枚組。「温かくもシャープなポップス咀嚼型現代ジャズ」を更に一段押し上げた力作。

141001.jpgWALTER BECKER「11 TRACKS OF WHACK」
人の勧めで買ったら良かったナンバー1はこれ。薄ら笑いを隠し通すスムース&フリークアウトな雑食アダルトグル―ヴの怪盤。

2014best-06.jpgDAVID FOSTER「RIVER OF LOVE」
80年代を牛耳った大物Pが、信頼のおけるシンガーだけを集めた歌ものアルバム。栄華極まって急落する直前の摩天楼のチャカツク感を敬遠せず聴いてみると、至上の内容です。

2014best-07.jpgTHE ALMIGHTY「PSYCHO-NARCO」
グランジの混沌の中から飛び出た90年代英国のパンキッシュ&へヴィ男気バンド。片手間でも惰性でもない剛腕重量パンチな復活作(再結成後2作目ですが)でした。

総じて一昨年に引き続きAOR探究を進めつつ、気になるメタル関連は随時ピックアップするという、振り幅のせまーい1年になったようです。後生ずっと好きであろう作品との出会いもあり、悪くないとは思います。

2014best-08.jpg2014best-09.jpg実生活でお世話になってる皆様シリーズでは、一朝一夕ならざる年輪をズッシリたたえたOSRUMの初リリース、国内のいわゆる激情ものから大きくはみ出す暗黒混沌重機音楽となったisolateの「ヒビノコト」など、いずれもワールドクラスの強大な作品でありました。しかも両方ともレコ発出演で祝わせてもらえまして、光栄しきり。今年か来年は我々も後に続きたい。現状持ち弾1.5発(曲)ですが、残る6分の5年、がんばります。

21 Nov, 2014

最近の収穫、今池P-CANにてART GARFUNKEL「SCISSORS CUT」、JOHN SCOFIELD「BLUE MATTER」、ブックオフ東別院にてBONEY JAMES「SWEET THING」。P-CANはどんどん売り場が狭くなって、在庫がボコスコ回転していた15年くらい前の姿を知る者としては寂しい。HELMETとかおおかたP-CANで揃えたなあ~。かといって一方的に募金しようとなるわけでもなく、色々考えちゃいます。

DOIMOIの直近のライブ出演情報です。甚だ重要です!

11/23 (sun.) 名古屋 今池 ハックフィン
isolate「ヒビノコト」リリースツアー
open/start 17:30/18:00
isolate, the Donor, asthenia, birth、Hexis(Denmark), Doimoi
前売 1,800円 / 当日 2,300円

以降、11/29大阪でkmkms&peelingwards(chinema staff別働隊)レコ発、12/14東京でOSRUMレコ発、12/29名古屋でStiffSlack祭り、1/11東京でTwolow企画と決まってます。Retinaディスプレイに対応したバンドのホームページに詳しいことを載せていて予約もできますので、何卒おねがいします。

▼食べた店履歴を小出しにいくつか。

先日書いた六番町のカフェ シブルに昼食で再訪してみたら壮絶な良さでした。字面だけだと「ガッツリ食べたい男子」が死んでもなお頼まなそうな(この響きが先に死んでほしいものです)マフィン&スコーンランチは、ごってりと形容してもいいくらいの量感を誇る具材を表面カリカリ、中ホコホコのマフィンに詰めて焼いてあるというユニークな品と、具だくさんスープ、サラダ、飲み物つき。カレーランチのカレーはひと癖ある辛めのスパイスづかいでやっぱり具だくさんで、サラダ&飲み物つき。コーヒーのフレッシュはちゃんと動物性の味でした(脂肪分多めの牛乳だったかも知れない)。死角なしの1,000円。ケーキが全部おいしそうなので追加するつもりだったけど満腹で見送る始末。

裏千種~車道にずっとある何の変哲もなさそうなインドカレー屋、アリアナレストランにおもむろに初訪。昔違う店で頼んで恐ろしくうすらボケた味しかしなかった事案が発生して以来、インドカレー屋においては積極的に避けていたエビカレーが評判良さそうだったので注文してみたところ、ココナッツミルクと思しきコクの効いたベースに大きめのエビがたくさん(生々しい話、5本くらい)入ってて秀逸でした。ナンは肉厚もっちり寄り。

我が家のホーム居酒屋、とりとり亭千種店でこのたび初めてモツ鍋に挑戦したらやっぱり凄く良かったのでメモ。野菜が種類豊富で大量。単価はそれなりですが結果的に全然高くつきませんので、冬場はサラダ+数品をこれと置き換えてみてください。

高岳の裏通りにある喫茶店コフィア、モーニングで利用。アコギとエレキが一本ずつ飾ってある新しめの店内は、小奇麗かつ落ち着きやすい雰囲気。モーニングはそこが結構重要な気がしてます。ブレンドコーヒーは苦味党のためにチューンされたようなキレキレ系。街場の喫茶店のアベレージを遙かに超えるクオリティながら、ティータイムはポットで2杯分出てくるそうです。トースト&卵/サンドイッチ/ホットドッグから選べてプラス料金なしのセットも嬉しい。

たびたび昼食で利用していた大曽根のとうふや豆蔵、お茶利用でも最高でした。イソフラボン多め・砂糖控えめな類のやつにはついていけないという人だとちょっと前提が崩れるかも知れませんが。シフォンケーキとプリンのセット的なものや、豆乳ソフト+豆腐+ゴマ豆腐+チョコソースのパフェ(つなぎのシリアルはきらず揚げ!)的なものが確か500円前後で、かなりのボリューム。デニーズのミニパルフェ群のパンチがちょっと落ちてきた今となっては、コストパフォーマンス王かも知れません。そして、食後にさらに満腹になっても全く罪悪感のない低糖・低脂肪度。本当に必要最低限の甘さで成立してて、善行した気になります。

今回は以上でした。

▼ひさびさにメタル系の海外アーティストのライブを見ました。今池3STARSにてカナダのブルータル・アヴァン・哲学デス(?)の古株GORGUTS。カオティックハードコアの隆盛とちょうど同時期に突如放った金字塔3rd「OBSCURA」は後追いで聴いて、激烈ながらスポーティ成分も少なめの純芸術な作風ゆえ、日常聴きするほど入り込むこともなかったのですが、彼らが自宅から自転車で10分以内の距離に来ることもそうなかろうということで、見てきた次第。

結果は期待通りというか、期待したものを生で目のあたりにするとこんなにスゴイものかと、大いに腰抜かしてきました。性急な曲展開でも演奏にバタバタ感がないとかそういうレベルの話は遥かに超えて、ブラストを交えつつ速いのか遅いのか分からない妖しげなグル―ヴも、デスメタルのライブでは大抵聴き取ることを諦めるしかないギターリフの音階やハーモニーも全部ありありと、音源以上の圧倒的さをもって体現されておりました。

リーダーのLuc(G./Vo.)は見たこともない7弦ギターで足元はTC Electronicsのマルチのみ、アンプはPeavyとJC(!)の2台使い。もう一人のギタリストはSG。不協和音だらけの作風ですが曲間のチューニングは丹念。これが重要なのでしょう。ドンヨリした曲調の中でディストーションがいつの間にか不穏なクリーンに移り変わる描写など、圧巻の表現力。

ベーシストは後からBEHOLD...THE ARCTOPUSの人だったと知りましたが、左腕の力こぶ付近に見えた落書きみたいな死神のタトゥがかわいかった。若くて、当然激ウマです。ドラムもその界隈では知られるテクニカルデス系バンドを渡り歩いてきた人らしく、パワー&スピード一辺倒ではない柔軟性と表現力がありました。ロングトーンのリフにあわせて、キック→スネアを8ストロークする間に右手が金物を1打しかしないドゥーミーなブラストなど、Luc先生の無茶振りと思しき変態行為も美しくこなす。

この日はそもそもの動員がかなり渋めで、GORGUTSの出番のあいだは特にフロアに人が少なかった気がして(結局、若手メタルコアのBLOODSHOT DAWN目当ての人が多かった模様)、なんか悪いな~、名古屋でもちゃんと大喜びで聴いてた人間がいたことを伝えたいな~とモヤモヤしながら、トリのKRISIUNに途中で飽きてフロアを離脱しラウンジスペースに出てみたら、ドリンクカウンターで会場のスタッフと下ネタで盛り上がってたので、ああ楽しかったのなら良かったとそのまま帰ってきました。シャイ!

▼誰に気にしてないとは思いますが、前回予告した機材話の続きは順延としました。

只今のBGM:GORGUTS「FROM WISDOM TO HATE」

最新作を持ってないので、これをライブ以来ちょくちょく聴いてます。テクニカル押しというでもない独自のド変態路線に踏み切った「OBSCURA」と基本的には同一の作風でつくられた2001年4th。歪み自体はマイルドなものに抑えて、ギター本来のギョリッとしたトレブルを立たせた音色でのリフワークは、VOIVOD(同郷)~VIRUSの系譜の途中にあるような部分もありながら、どこかサイケなドゥーム感も多め。細かくブラストしては止まるドラムはいくらBPMが高くとも爽快な要素がほとんどなく、体感的にはその約数のもっと遅いノリを聴かせてくるような感じです。これだけやっておきながら表向きの暴力性はダミーで、本質は1~2枚めくった奥の、どんよりドス黒い神秘性にあるという、そんな印象。アートワークにもあしらわれている「謎の遺跡」感です。何をどうブレンドしてシーンに食い込んでいくかな?という打算は微塵も含まない、純然たる芸術作品かと。

5 Nov, 2014

▼今回は機材の話題づくしでまいります。

▼自宅のオーディオまわりも、バンドで使っているギターアンプも、スピーカーケーブルをBELDEN9497から同8470に替えました。ギターアンプのほうは、練習の途中でおもむろに差し替えて1曲演奏してメンバーに意見を乞うてみた(メーカーも品番も伝えないブラインドテスト状態)ところ、「(8470のほうが)耳障りな高音がなくなった」との事。ツマミはどこも触ってないのかと訊かれたくらいなので、じゅうぶんな有意差があったと思います。

オーディオのほうも、高音のつまびらかな解像度がやや抑えめになる代わりに、存在感に関わる中低域の響きが少しリアルになった気がします。画像処理ソフトでアンシャープマスクをかけると細部までクッキリするけど、そのままにしておいたほうが遠近感が自然、みたいな差に似ている気がします(前者が9497、後者が8470)。絶対的な情報量の優劣が大きく開くというわけではないと思うので、目指す音作りやその他の手持ち機材の性質とあわせて選ぶといいと思います。

9497も8470もド定番ですが、ネットで検索するとどちらかだけ良し悪しのレッテルを決めるような言葉で論じられているのを多く見かけるので、ワタシなりのインプレとして。

▼以前さんざん迷ったピック選びの旅(参考1参考2参考3)は、低音弦のパワーコードをバツッと鳴らしたいときはSCHECTERのウルテムジャズピック0.88mm、自宅でぺろぺろと遊ぶ分にはJIM DUNLOPのデルリン0.71mm、という線で落ち着きました。

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ジムダンのデルリン0.71mmは、素材のツルツルさ、フチがぺらぺらに薄い独特の形状、しなりにくい剛性とそれでもしなる薄さのバランスが絶妙。振り抜いた直後にHERCOの金みたいなペチッとした感触があって、ニュアンスのコントロールも大変しやすく(特に弱音)、弾いてて楽しいピックです。先端が全然尖ってないのでメカニカルな速弾きはちょっとやりづらいですが、薄さとスベリの良さゆえ、細かいフレーズ自体は全然快適にやれます。カロヤカなカッティングなんかに一番バッチリはまる気がします。

いっぽう太い低音弦のパワーコードなどを、アタックの頭を揃えてどぅ~んと鳴らしきるには、弾き方もいろいろ試しましたが結局、一定の厚みまたは固さがあるとワタシとしてはラクという結論に。端が切り立ちすぎていると引っ掛かりが強くなり、ツルツル過ぎるとアタックはカチカチ鳴るが弦を充分に震わせきれず…というところで、SCHECTERのウルテム0.88mmがたまたま理想に一番近かったのでした。横幅が広めのちょい大きめジャズピックシェイプも使いやすい(IBANEZのポール・ギルバート・モデルに近いサイズ感)。ピッキングノイズが少なめで実音がハッキリ鳴って、しかし適度に明るさもあり。その要因になっているのが表面のクモリ加工なのか、素材の混成比率なのか、端の処理なのかは未検証。これから使い込んで持久性を確かめるところです。

巷じゃウルテムがとにかくもてはやされてますが、「薄くても硬い」を特に求めなければ、ポリアセタールも全然いい線いってると思います。以上、ご参考まで。もう1件機材の話があるんですが、長くなってきたのでそちらは次回。

本日のレビュー:THE ALMIGHTY「PSYCHO-NARCO」

今では忘れ去られているか、はじめから知られていないことも多いであろうこのバンドについてご説明します。
80年代末、タフ系ハードR&Rを引っさげてイギリスに現れた彼らは、ポスト・ガンズ→オルタナ大流行の潮目にちょうど乗って一度は新世代の旗手とかつがれかけたものの、思ったより厳しいメタルへの逆風、更に「自国バンドに対して異常に厳しい地元イギリスの音楽メディア」の冷遇(と当時伝えられましたが実際の温度感は不明)により苦戦を強いられ、グランジ化(ALICE IN CHAINS寄り)→ややメロディックパンク化(BAD RELIGION的な)を経て、96年の「JUST ADD LIFE」を最後に解散してしまいます。
その後再結成して復活作を作っていたことは耳に入っていましたが、復活第二弾のこれが出ていたことは、中古盤屋の店頭でつい最近知りました。ちなみに現在では再解散をし、スター性のあったギターヴォーカルのリッキー・ウォリックはジョン・サイクス離脱後のTHIN LIZZY再現プロジェクトに参加して、そのままBLACK STAR RIDERSと名前を変えて新作を作ってしまったりしている模様。

ということで今回のこちらは2001年リリース、通算7枚目のスタジオアルバムということになります。作風は「CRANK」と「JUST ADD LIFE」のちょうど中間をいくような、ヘヴィネス・コンシャスかつジャージャカジャージャカというパンキッシュ~ガレージ的なノリも多めにあしらった、ブレない骨太男形ロック。
リフとリズムのパワーによって叶えられる「ハードなロック」の本来的なエキサイトメントの回路にしっかり根差していて、文脈的なシャレで遊ぶことのない至極シンプルで肉体的な音楽だと思うのですが、こういうのはメタラーにとっては非メタルであり、非メタラーにしてみれば「メタルのフィールドで何かやってる奴」として視界にも入らず、輝く場がないままになってしまっているのがまことに嘆かわしい限りです。キャラ立ち著しいリッキーのヴォーカリゼーションもあることだし、「ちょっと重すぎるイギリスのFOO FIGHTERS」的な立ち位置に至っていてもおかしくはなかったと思うのですが。

ついでにこれは完全に個人的趣味ですが、一度グランジにかぶれたことがあるメタル畑のバンドは、いつまで経っても「モダン」なつもりでグランジっぽいことをやってくれて、もう彼らのほかにそんなことをするバンドはほとんどいないので(といいつつ近頃確信犯的グランジリバイバルも来てるみたいですが)、その頃が青春だった身にはとにかくありがたいです。

THE ALMIGHTY入門には、豪腕路線が最も盛り上がった「CRANK」あたりがオススメですが、イマドキの耳にはこのアルバムくらいの感じのほうが好ましいバランスかも知れません。良いバンドなので、ぜひ再顧を。

28 Oct, 2014

▼最近の収穫、大須グレイテストヒッツ2階でMICK JONES「MICK JONES」(FOREIGNERギタリストソロ89年作)、ブックオフ黒川(11月半ばで閉店…R.I.P.)でGLENN MEDEIROS「GLENN MEDEIROS」、同平針でPETER CETERA「SOLITUDE/SOLITAIRE」「WORLD FALLING DOWN」。夜な夜な遅くまでやっていたソロ音源制作により、子供寝かしつけ後の深夜ブックオフ習慣が抜け気味になり、結果、それで生きていくのになにも支障がないから、寂しいもんだなと思っています。ex.THUNDERHEADのヘニーがDONNERKOPFのあとにNITROGODSなる新バンドを立ち上げて音源すらリリースしていたらしく、気になる新譜ラッシュ(ENCHANTSANCTUARY等々)はさておいてもこれだけは買わねば。なんかちょうど2作目リリースしてるし(いまURL取得のために検索したら気付きました)。中学校の頃から知っているミュージシャンの近影には大概落ち込むことばかりですが、48歳にして一切シワデブ化してないヘニーはかっこいい。

▼「自動車の運転免許の更新に行ったのに、現物を持ってくるのを忘れたため何もできなかった」という事象がつい最近発生しました。ありがとうございました。

▼長いことタメていた外食記録シリーズをまとめて超特大でいきます。以下、よろしくお願いします。
ちなみに、各エントリの一番下にブログ記事のカテゴリとタグの一覧がありますので、食べ物なりモーニングなり気になるキーワードをクリックしてもらえれば、関連記事が一括表示されます。ご活用ください。

食事

▼食事といえば全部食事ですがここでは「喫茶・朝食・甘味を除いた昼ごはん・夜ごはん」としてご理解を。まずはにわかに贔屓にさせてもらっているご近所シリーズで、はじめに新栄の美ら風 新栄店。多分普通に何店舗かある沖縄料理の居酒屋です。もずくの天ぷら、島どうふ、麸のチャンプルー、ラフテーチャーハン等々、ほかにも何だったか忘れたのもありますが、珍しいおいしいものがいろいろあって、組み合わせ次第でけっこうお得にもいけます。独特な質感の黒糖アイスが最高なのでそれはぜひ押さえておいてください。1階の入り口で案内してくれるやさしいおじさんがたぶん調理もしていて、その方がとにかく親切。うるさいムスメがいつも会計のオマケのちんすこうをもらって大喜びしてます。個室多め(というか基本的に細かく区分けされた掘りごたつスタイル)なのも子連れに助かります。WEBクーポンがわりと頻繁に出ているのでホットペッパーのページをチェックということで。

▼今年の春、自宅から徒歩圏内に出来た和道らーめん 銀乃月は、大別すれば二郎インスパイア/極太つけ麺の類のカウンターにポジションをとる「淡麗系」でしょうか。細いストレート麺で豚か鶏、それぞれ塩または醤油が選べて、その他つけ麺(麺は中太くらい)や季節メニュー有、ごはんものも有という構成。豚も鶏もケモノ出汁がしっかり滲みでたスープで、豚は臭みのないトロントロンのチャーシューに焼きネギ、鶏はプルプルムネ肉にゴマ油少々とタマネギ・かいわれが添えられ、トータルのバランスを慎重に磨き上げた感あり。パンチは控えめながら、食事らしい満足感がしっかり堪能できます。デフォルトが680円、替え玉は100円でいけるので、お腹一杯になりたい人も利用しやすめ。夜は23時半までやってて土日とも営業(水曜休)。

▼同じく今年4月、イオン千種横の高架下にできていたAJITOは、外観どおりオシャレめなイタリア料理店。おそろしく気さくな店員さんがおり、子連れでも利用しやすいどころか、ランチで入るなり子供用ドリンクを1杯サービスで出してもらえるという嬉しありがたすぎる待遇。前菜3種・パスタ(3種類から選択)・ドリンク・ミニデザート=1,000円というランチは「あーあのお腹いっぱいにならないやつ…」というパターンとは一線を画し、前菜はいつも手が込んでいて美味しく(お酒好きな人が特に好きそう)、パスタは当たり外れがなく量に対しての食べ応えが考えられた味付け&具の盛りで、デザートもひとひねりある手作り。この前は新メニューに向けたお試し企画として10数品がオール280円という企画を夜にやっていて行ってみたりしました(とても良かった)。季節ごとにいろいろ催しているようなので、お店のFacebookページで逐次ご確認をば。

▼おしゃれ寄りでもう1店、新栄交差点の少し南にあるシェ・トトはフレンチのお店(と言い切るとさもフレンチを知ってるみたいに見えますが全然分かりませんので)。ただならぬ口コミを見て行ってみたら、確かにメインの肉・魚のボリュームが尋常ではない。そしておいしい。ちなみにサラダも変わったドレッシング&けっこうな量で好内容です。パンがついてランチ1,000円。そしてケーキ(ドリンクとセットで+500円)も、並みのケチケチしたオシャレケーキ屋は全員謝った方がいいんじゃないか?というクオリティ。賑わう店内は予約だらけなのでふらっと行くには注意が必要。あとは写真でどうぞ。

▼桜山の萬々事々は土日祝のみランチ営業ありの居酒屋。今のところランチのみ利用です。揚げ物・魚・肉・ハンバーグetc.がメインのセットがおおむね900円台(カレーやうどんなどは少し安め)、日替わりは確か800円台、豪華な御膳の類は1,000円超え。副菜の組み合わせはメニューによって微妙に違いますが、茶碗蒸し、あら汁、マッシュドかぼちゃ(というんでしょうか、季節によって変わるかも知れません)つきのサラダなど、満足感がスゴイ。しかもご飯・あら汁はお替わり自由。座敷席もあり、たまたまかどうか分かりませんが子供にデザートのアイスを出してもらえたりしました(しかもけっこうな量)。すぐ隣に系列店と思しき似たような屋号の焼肉屋があり、そっちもランチをやっていたので激しく気になっています。

▼高辻~堀田の間くらいにある比那屋、老舗の名物店ぽいので行ってみました。手狭で古めな店内に色紙がズラリといういかにもな構え。名物だという唐揚げがあっさりしつつフワフワで、大量に食べられそうなおいしさ。ラーメン、餃子、チャーハンなど、ひとしきりバリエーションを揃えていてはくれますが、ストレートに唐揚げ定食的なものでいくのが一番幸せかと。

▼池下の裏通りにひっそりあるインドカレー屋Sitarは、ランチタイムはサラダが取り放題形式。薄パリ系のナンがお好みなら、冷めてきたころに野菜を巻いてナンロール的にボリボリやるとよろしいと思います。ドリンクはセットに含まれないですが、ときどき「咲楽」にクーポンついてます。近くのシャティもいいけど今日はナンおかわりしたいな~というときはこちらを。

▼フラフラと矢田川付近に行ってみた流れで立ち寄ったかどせん 守山店、「イケ麺」の看板に面食らいつつ入ってみると、食堂然としたいかにもな町のうどん屋。名古屋で時々出会う、ゴリゴリハードではないがもっちり伸びるような高密度麺。日替わりの「イケ麺セット」が何だかおかず満載で凄い充実感だった気がします。このあたりでたまたま昼時になるという機会もそうないかと思いますが、あったらぜひどうぞ。

▼ブックオフ千代田橋のついでに時々寄る近くのアピタ、昼時にはここぞという店があまりなくて困りますが、いかにもなファミリー向けイタリアンビュッフェのパパゲーノが割と良い感じです。値段はそう安くない1,199円+税ですが、結局カレーと唐揚げとサラダじゃねーかというダメなパターンではなく、野菜中心の前菜がけっこう充実。人が入ってても補充はマメに出てくるし、パスタとピザは常に5~6種類から選択可。デザートも自家製パンナコッタ的なやつが出てきたりと良心的で、自分で焼けるワッフルが売り。ソフトクリームも絞れるので、飲食店経験のある人は豪華デザートディッシュを構築可能(=写真)。でもこのワッフルは何もつけずに食べるのがおいしいです。
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モーニング

▼相変わらずべら珈琲松屋コーヒーの利用率が高い我が家のモーニングですが、常に新規開拓はしております。まずはちょっと遠出して、大須と尾頭橋の間くらいにあるビーンズハート、ここのコーヒーはおいしかった。モーニングのセット内容は胡麻パンがつくのみですが、もっちりして食べ応えのあるパン。何よりコーヒーが、あまり共存することはないと思っていた「透明感ゆえのキレ」と「図太い香り」がともにピンと立って、一杯の充実感が凄い(量も多めだった気がする)。山小屋風の外観と内装もステキであります。置いてある本も良い。
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▼御器所に以前からあった珈琲 町家、最近ちょっとだけ改装してリオープンしました(どう変わったか分からないくらい久しく行ってなかったですが)。ブレンドコーヒーが浅め→深めまで4段階から選べて、こちらも大きめのカップになみなみと。デカンタにためっぱなし系か?とややためらう店の外観ですが、全然ちゃんといけてます。モーニングのセットも品数多めだった気が。

▼栄ミュージックファーストからほど近い、そして東桜パクチーの真横にあるダイヤコーヒーは、自家焙煎豆の販売の傍ら喫茶も開けてますといった佇まいのお店。とりあえず子供に優しく、複数の店員さんからアメをもらえたりちょっとした個包装のスポンジケーキをもらえたりと、座るなりの好待遇。コーヒーはビシッと来るキレ系で好みです。聞いた話だとランチはカレーなどが軒並み激盛りだそうで、それも行きたい。

▼池下のちょっと裏にあるIL TULLE、こちらは非常に「健康ブームに乗る女性消費者」に狙いを合わせてきたような、スムージー推しのカフェ。店員さんによって対応から料理の質まで大違いで注意が必要で、どう見てもにこやかな方の人(女性)がいたら大丈夫です。パン、はちみつ、緑色のスムージー、あとヨーグルトだったか卵だったかがコーヒーについてきて料金はコーヒー1杯分。コーヒー自体はさして売りではない感じなので、あとから入った別席の客にあわせて冷め気味なパンが出てきたりはちみつを忘れられたりするとかなりアレですが、大丈夫なときはとてもいいお店。

甘いもの

▼そう頻繁に行くわけではないけど安定のナンバーワンは近所の穴場・MAGGIOREです。何を頼んでもちょっと珍しくて大きめで凄くおいしい。最近頼んだ、「クッキー入り半アイス」との説明を見ても何だか分からなかった品はこんなのでした。でかい。
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▼自転車の遠出のなりゆきでたどり着いた六番町のカフェ シブル、静かな住宅街にぽつねんとあるオシャレげなカフェ。窓の多い明るめの店内で、よく賑わっていました。細かいことを失念気味ですが、人気のタルトを注文して、タルトのタルトらしいところが凄く良かったと記憶しています。ランチタイムとの境目くらいの時間に訪問して、料理のほうもいいニオイがしていたのでいずれ食事利用もしてみたい。がしかし六番町遠いなー。

▼鶴舞のはずれにかなり前からあるカフェ・ザ・ベストは、豪勢な音量でテイラー・スウィフトみたいなBGM(偏見&無知ですいません)が鳴り響く、まさにという感じのおしゃれカフェ。ケーキの方もその勢いでかなりガッツがあり、だいたい500円前後でしたが相応かそれ以上のボリュームとパンチ。頑張ってるパティシェさんがいるようで、季節によってマメに品揃えが変わるようです。満腹気味で行くとKOされますので昼食とトータルで配分調整を。
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▼大曽根で喫茶できるところを…と探し歩いていて偶然見つけたのが、生花店と併設されているTreeFrog。アトリエ的なスペースと半屋外の温室風なスペースの二部屋があり、前者には売り物の雑貨類も置いてあります。ケーキ類は極力砂糖を減らした健康志向にこだわっているとのことで、全体的にあっさりしつつも物足りなさがないようにいろいろ乗ってて満足感高めです。
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▼こちらはケーキではなくベーグルのお店で、東新町の小さいビルの2階にある米花。某本山drawingの亮平くんに雰囲気のよく似た若い男性マスターが一人でやっていて、ベーグルは食事系からデザート系までいろいろ種類あり。パン屋の感覚でいくと高級感ありな価格ながら、全然納得のクオリティで、あれこれ試したくなります。窓際に辛うじてある席(2席!)で店内飲食もできて、その際はオーブンで温めてお皿で出してくれます。ドリンク類もいろいろあったはず。

氷、アイス

▼夏に評判のかき氷屋を調べて行くと、凄い行列にやる気を失くすのはよくあること。もう夏は終わりましたが、来年用として、かき氷専門店ではないがいい氷が食べられるお店を控えておきます。

▼まずは車道商店街の隠れ人気店・茶縁。シーズン中は知る人ぞ知るの知る人が沢山来ていて、たまに満員で入れなかったりもします。夏季限定メニューはかき氷のほかパフェもあり、本業は日本茶の専門店なので、あやしい抹茶味とは一線を画します。若干おしゃれ価格ですが、雰囲気も良くおすすめ。

▼中日ビル地下のなみこし茶屋も夏は氷やってます。こちらは甘味のお店なので、黒蜜やあんこが信頼できます。同席者とタッグでぜんざいとの合わせ技に挑むなどすれば、頭キンキンで困ることもないでしょう。下の写真の氷はもうかなり食べ進んだあとのもの。
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▼大須の老舗・七福堂も夏は氷やってますね。ここは何もかも、ちゃんとおいしいのに安い。氷はけっこうベースのみつがしっかりかかって甘めなので、あっさり好きの人はみつ少なめコールをするとよいかも。白玉入りでほんのり塩気が効いた冷やしぜんざいも夏限定で、うまいです。

▼こちらは氷ではなくソフトクリームで、伏見のちょっと裏通りにある升半茶店 本店。6~9月のみ登場する抹茶ソフト&抹茶シェイクがこれまた知る人ぞ知るアイテムのようです(5月頃たまたま初訪したとき、あれまだ?といって来店する常連多数でした)。調べるとたくさん出てきますがでかさが嬉しい。しかもかなりクリーミ~な質感でとても食べ応えあります。

▼以上でした。精魂尽き果ててレビューは休みます。

1 Oct, 2014

▼タメました。ここのところは自作パーカッションの洗練に取り組んだり、思い立って全編AORなソロ新作を作りはじめた(DOIMOIの新曲があまりに難航し、曲が作れない人ではないことを自ら確認するため、とソロで出演のライブに向けて)り、ギターの運指&ピッキング練習パターンを考えて実践したりというのを、就寝時一緒にフトンに入らないといつまでも食い下がるムスメの目を盗みながら(寝付いた後、または早朝4時半起きなどで)やっておりました。

いつもならその成果を嬉々としてここでご紹介するところですが、パーカッションは恐ろしい時間を費やした結果、手近な材料でいいものができすぎてしまったのと、ギターの練習フレーズも巷の本では見かけない切り口でしかもなかなか効果的なので、ぺろっとワールドワイドウェブの海に流すのがもったいないなと躊躇してるところです。特に後者は、知らないアフィリエイトブログとかで同じタブ譜を見かけたら切ないなーという危惧により。

パーカッションについては本当に長年の夢だった「足を踏み下ろすだけで、角度や予備動作に神経を取られることなく安定してスネア的な役割の音を鳴らせる箱」と「足だけでトライアングルを鳴らすキット」が両方作れまして、これは大変画期的なのです。現物のある場でならいくらでも解説しますので、そういった場所に来てください。例えば

10/4 (Sat.) 名古屋 鶴舞 KDハポン
テト・ペッテンソン企画「カーテンコールで待ち合わせ vol.1」
開場18:30 / 開演19:00
予約¥2000 / 当日¥2300(D代別)
IOUEEE / シャンプーハッツ(相模原) / トキノミノル / テト・ペッテンソン

など。トキノミノルはカーリーズ&トゥラリカのメンバーの混成バンドで、その後輩がテト・ペッテンソンです。シャンプーハッツは架空プレス業者に騙されてレコなしレコ発をやる羽目になったとtwitterで話題になった人達(私もその件リアルタイムで見ました)。現在制作が大詰めのAOR調なソロ新曲2曲は、ご来場の方にフリーDLしてもらえるようにするつもりです。何かしらの方法でご予約おねがいします。

▼長らくこのブログ(がブログではなかった頃から)を見ていただいている皆様、3年前このように生まれたムスメは現在、おかげさまでこんな感じになりました。ありがとうございます。
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ムスティンの口の形に憧れているとかいないとか。(いない)
楽器はなかなか覚えませんが、オリヴィア・ニュートン・ジョンの"Physical"、カーリーズ全曲、「となりのトトロ」の主題歌と挿入歌、平安会館のCMなど歌のリクエストはいくらか受付可能です。

▼サウンドベイのバーゲンや植田楽-YAの一時閉店セールでひどいことになっているここ一ヶ月強の収穫、いろんなブックオフでWAKTER BECKER「11 TRACKS OF WHACK」(94年ソロ1st)、BRENT BOURGEOIS「BRENT BOURGEOUIS」、STEVE LIKATHER「CANDY MAN」(94年)、O.S.T.「FOOTLOOSE」、BRUCE HORNSBY「HARBOR LIGHTS」、ATLANTIC STARR「WE'RE MOVING UP」。
サウンドベイでORANGE 9MM「PRETEND I'M HUMAN」(99年)、JANIS IAN「STARS」「AFTERTONES」、SOLEFALD「PILLS AGAINST THE AGELESS ILLS」(ノルウェーブラックアヴァン派2001年作)、PETER, PAUL & MARY「LATE AGAIN」、MR.BIG「LEAN INTO IT」「LIVE」(いずれも良コンディション外盤100円でようやく買い替え)、Y&T「MUSICALLY INCORRECT」(95年)、TONY MACALPINE「PREMONITION」(94年)、HEATMISER「MIC CITY SONS」(エリオットスミス在籍屈折歌心グランジ96年)、HIRAM BULLOCK「WORLD OF COLLISION」、RICK PRICE「HEAVEN KNOWS」。
一時閉店で復活待ちの植田楽-YAの最終売りつくしでSTEVE WARINER「DRIVE」、JAMIE WALTERS「JAMIE WALTERS」、FRIDA「SOMETHING'S GOING ON」(ex.ABBA、フィル。コリンズpro)、DAVID FOSTER「RIVER OF LOVE」、ERIC CHAMPION「REVOLUTION TIME」、LUTHER VANDROSS「FOREVER, FOR ALWAYS, FOR LOVE」、ALICE COOPER「THE LAST TEMPTATION」、MARC JORDAN「BLUE DESSERT」、THE ALMIGHTY「PSYCHO-NARCO」、PAUL BRADY「TRICK OR TREAT」、YES「TALK」、CYNIC「FOCUS」(ボーナス入りリイシュー)、VINCE NEIL「EXPOSED」、BRAND X「MOROCCAN ROLL」、SONNY LANDRETH「SOUTH OF RI-10」、DERRINGER「DERRINGER / SWEET EVIL」(リック・デリンジャー・バンド、76/77年作カップリング)、SLAUGHTER「FEAR NO EVIL」、PHIL COLLINS「DANCE INTO THE LIGHT」、BAD MOON RISING「OPIUM FOR THE MASSES」(日本盤)。
栄ミュージックファーストでIN FLAMES「LUNAR STRAIN」(1st外盤オリジナルに買い替え)。以上、大量ですが大半は100~500円にて購入です。聴けてない!

▼時々「楽しみにしている」と言ってもらえる地元名古屋の食べ物屋開拓記録は、また近々の更新でがんばります。

本日のレビュー:WALTER BECKER「11 TRACKS OF WHACK」

トゥラリカのタクミ君がレコメンしているのを見かけた矢先にタイミングよく捕獲。先にソロデビューしていたドナルド・フェイゲンに遅れること10年以上、STEELY DANの片割れのウォルター・ベッカーが94年にリリースしたソロ1stです。

アルバムタイトルに出てくる「whack」の意味について調べると「ピシッと強打する」みたいなのが最初に出てきますが、多分このアルバムに関してはここでの説明が近そうな気がします。ぼやっとした写真にこの頃の流行りのタイプライター風フォントをあしらっただけのジャケといい、佇まいからは相当カジュアル(適当?)なノリが。内容は更に、不安になるほどラフで、リズムマシンとギターでさっと作ったデモのようなトラック数少なめなものが大半。STEELY DANでの鬼の作り込みと比べるとかなり異質です。その分、どの曲にもひらめき性の高いネタがドシッと居座っていて、トータルの聴き応えは超濃厚。

ヒップホップ手前のチルアウトR&B的な妖シブ系レイドバック感と、90年代初頭のアンプラグドブームのあとで大勢の妙齢ミュージシャン達がこぞって乗っかった「昔はいろいろあったけど今は落ち着いてこざっぱりとクリーントーン」感が無境界化して絶妙すぎる色相をなしているところに、フュージョンマナーにのっとったテンション攻めや、その他の斜め上的暴投の数々。しかしミュージシャン/クリエイターとしての造詣が底支えして、楽曲への落とし込み方はあくまで紳士的。黒い筐体で100音色100リズム入りみたいな家庭用キーボードに電源入れてすぐ出るようなこんな音でいいの?てなカンタンなデジタルシンセも平気で使われてるんですが、簡素なアレンジと相俟ってやけに目立つその響きが、確信犯的かつ病性の際立つものに。

ウォルター氏本人によるヴォーカルは、枯れ方や絞り方が相方のドナルド・フェイゲンにかなりよく似ていて、声域が低い分セクシー・ダンディー感が割増に。ドナルド氏はプロデュースと鍵盤でも参加していて、その他のメンツはシブ系仕事人ディーン・パークス(g.)、TZADIKでリーダー作を出していたりもするベン・ペロウスキー(ds.)など。アルバム中でも際立つ怪曲"Lucky Henry"で危険物のようなソロを弾いているアダム・ロジャーズというギタリストはノラ・ジョーンズの作品にも参加していたりで、その他よく知らない名前もきっとこわい人達なのでしょう。

STEELY DANの触ったら血が出そうな尖ったところが好きだったんだけどドナルド・フェイゲンのソロ作品ではピンと来ませんでしたよという人、「善良な市民の顔して結果的にフリークアウトしまくっているような音源」をチェックしたい病気の人などの、ニッチな需要に最高に応えてくれるアルバムかと。当サイト的には相当おすすめ。

24 Jul, 2014

▼いつものように昼食をいかに質素に済ませるか悩みながら、長居した揚句並んだスーパーのレジを一度引き返してまで1品別のものに変更(むろん安い方に)してまたレジに戻ったら、手に握っていたはずの500円玉をどこかに落としたことに会計の途中で気付き(それが唯一の所持金ではなかったので支払いは無事遂行)、通った道をさらっと見るも発見できず、這いつくばって調査することまではせず、実費+500円でこの(質素な)内容かよ…という思いで圧死しそうになりながら味わったその食事のことを、これからブックオフで軽々と500円商品を買おうとする前に思い出したいと思いますし、皆さんもそうするとよいでしょう。

▼最近、「燃えてるんだろっか」←→「Livin' la vida loca」(郷ひろみ"Goldfinger '99")以来最も心に残った「異言語バージョンなのに、原曲と語感をうまく合わせてきてちょっと感動した体験」は、アニメ映画・となりの某の挿入歌で有名な"さんぽ"の英語バージョン、"Hey Let's Go"の出だしです。

※Youtubeのリンクを貼りたかったのですが、頻繁に削除されるようなので検索結果にします。この青字をクリックすると別ウインドウで開きます。
「I'm happy as can be」←→「わたしはげんき」。妙なり。

▼いっぽう「オリジナルの歌詞の内容を忠実に拾おうとするあまり、語呂が崩壊してちょっと心が震えた体験」はキャンディーズの"ジョリーン"(オリジナルはオリビア・ニュートン・ジョン)。

最近の収穫は今池P-CAN FUDGEでTHE GOLDEN PALOMINOS「BLAST OF SILCENCE」、METALLICAのブラックアルバムのドキュメンタリーDVD(CLASSIC ALBUMSというシリーズ。めちゃくちゃよかった)、ブックオフ栄でSARGANT FURY「LITTLE FISH」(90'sジャーマンメタル2nd)、PRAYING MANTIS「A CRY FOR THE NEW WORLD」(珍しいUNDER ONE FLAG外盤美コンディション品に買い替え)、LAURA BRANIGAN「LAURA BRANIGAN」(90年)、植田 楽-YAにてJAMES TAYLOR「THAT'S WHY I'M HERE」(小田和正+リチャード・シンクレアな85年作)、今池ワイルドハニーにてDOOBIE BROTHERS「TAKIN' IT TO THE STREETS」(76年、マイケル・マクドナルド加入作)、友人からの放出物でPARISH「ENVISION」(ex.CRIMSON GLORY)、THE CHANCE「CHANCE」(EQUINOXと並び評すべきマイナープログレメタル93年作)、MORGANA LEFAY「SECRET DOCTRINE」(ポストSAVATAGEな硬質ダーク様式美2nd)、JOURNEY「RAISED ON RADIO」(比較用非リマスター)、ブックオフ川原通でRICARDO SILVEIRA「SMALL WORLD」。

本日のレビュー:JANIS IAN「RESTLESS EYES」

バズ・フェイトン先生参加作ということで購入。この欄でたびたび登場している女性SSW、ジャニス・イアンの、西海岸AOR全盛の81年にリリースされた作品です。70年代半ばのフォーク路線での成功からするとセールス的にはさっぱりダメだったようで、自身のサイトでも、黙殺するよりひどい扱いになってます。ひどすぎるのでご紹介しておきます。

"「ポップ・アルバム」を作るつもりで、LAでいい感じにレコーディングされた。だが本人が顧みるに、「世の中に『ポップ・アルバム』なんてものはない。優れたアルバムか、それ以外かだけ。そのことを忘れてしまっていた」と。アメリカのチャートで失敗し、海外でのプロモーションも奮わず、彼女はあとアルバム5枚の契約が残っていたにも関わらず、所属レーベルのコロンビアに契約解除を申し出た。もうソングライターとして下り坂にいると感じ、毎年アルバムを作ってはツアーに出ることなど考えられなかった。"

とのこと。何故!こんなにいいのに。最盛期のイメージからそう極端に転身を図ることなく、80年代テイストといってもギラつき・おちゃらけ・フュージョン的インテリ感・性的アピールのどれにも走らず、さわやかな高揚感だけをバンドサウンドおよび楽曲にいい感じに反映させた前向きAOR。しかも曲のツブ立ちも全然良くて、バラエティもあり、アルバム全編の随所にナイスフックが。太すぎず浸りすぎずカワイげすぎないヴォーカルスタイルとのバランスが崩れない範囲で、凄くいい形にまとまっていると思うのですが。

客演にはバジー先生のほかニール・ラーセンやレニー・カストロなどFULL MOON組、ジェフ・ポーカロやディーン・パークスあたりの仕事人軍団も参加。張り切りすぎず、主役の存在感が浮き立つ良い温度。現在はこれの前作「NIGHT RAIN」、次作「UNCLE WONDERFUL」とセットでリイシューされています。お買い得だしおすすめです。

なぜかイントロがRUSH風。この曲のギターはディーン・パークス。

いつもどおりのきれいなフォーク調な曲も入ってます。何も悪くない。

26 Jun, 2014

▼生存しています。一か月半分の収穫、楽-YA植田本店、いろんなブックオフ、サウンドベイ、ディスクヘブンなどでART GARFUNKEL「WATERMARK」、JOE SAMPLE「CARMEL」、JANN ARDEN「TIME FOR MERCY」「LIVING UNDER JUNE」、BILL McHENRY「ROSES」、AMERICA「AMERICA'S GREATEST HITS」、BOB SEGER「THE DISTANCE」、MASSACRE「PROMISE」、MARC COHN「MARC COHN」、V.A.「CASINO LIGHTS - RECORDED LIVE AT MONTREUX, SWITZERLAND」、STEVE LUKATHER「LUKATHER」、STEVE MORSE「HIGH TENSION WIRE」、DANNY GATTON & JOEY DEFRANCESCO「RELENTNESS」、BILL LaBOUNTY「THIS NIGHT WON'T LAST FOREVER」、JETHRO TULL「SONGS FROM THE WOOD」「HEAVY HORSES」「ROOTS TO BRANCHES」、AVERAGE WHITE BAND「AWB」、BRAD MEHLDAU「HIGHWAY RIDER」、RAY WONDER「HURRAY」、GREG HOWE「INTROSPECTION」、38SPECIAL「BONE AGAINST STEEL」。

▼相変わらず「イントロ~Aメロまで作ってモチベーションのピークを迎え、あとが続かない病」を患いつつ、↑で買ったブラッド・メルドーの2枚組が自由すぎて少しほぐされもして、和歌山・白浜へムスメ生誕後初の泊まり旅行に連れて行ってもらったりしていたここ最近です。

白浜は最高。詳しくはビジュアルで。↓(クリックで拡大)

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ちなみにムスメは最近、「耳のゴソゴソ」こと耳アカの存在が気になる時があるらしく、耳アカ除去が好きすぎて除去できる自分の耳アカが常に底をついているワタシとしては羨ましい限り。一度自然にカラカラッと大きいやつが出てきたことがあったそうで、平日の昼間にそういうことがあったら晩まで保存しておいてもらうようにヨメさんに頼んであります。

▼バンド活動の休み中、なんとなく機材に目を向ける時間が増えてるのですが、「チューン・O・マチック式ブリッジのテイルピースはどの高さが(自分的に)正解か?」という、たまに陥っては深みにはまる問題に、少し前までザバザバにはまってました。もう二度と悩まないところまでいったので、まとめてみます。

これがテイルピース。(赤の斜線で囲った部品)
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一般的には、「テイルピースを下げるとボディがよく鳴り、テンション(感触)は固くなる。上げればその逆」と言われています。まず音色については、テイルピースを下げるとサドル(テイルピースの隣りの部品の、弦を乗せている6つの可動コマ)での弦の折れ角度がきつくなり、弦からの下向き(ボディ方向)の力が増すことでボディに弦振動がよく伝わるという考えに、多くの人が納得しているようです。図1参照。

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それが本当にサスティンを伸ばすなどの良い結果になるかというと、諸説あるようで(ボディから戻ってきた振動が逆にサスティンを殺すという見方も有)、「ボディ材のレゾナンスをより強く音色に反映させたければ、テイルピースを下げればよい」というところまでにしておくのが無難そうです。

いっぽうテンションについては侃々諤々の議論があり、検索してみるとよく出てくる意見はこう。「物理的に見れば、ギターのテンションは弦の太さ・チューニング(音程)・ネックのスケールだけで決まる。ボディに伝わる弦振動は増えても、テンションは変わりようがない」と。
それに対し、「でも実際やってみると、明らかに感触が変わってる。下向きの力が強くなるから、サドル上で弦が滑るときの摩擦が増えて、テンションが固く感じるのでは。張力と区別してそれを『テンション感』とでも呼ぼう」という勢力も譲らない。

後者の人はしばしば体感中心で語ってしまうため、本当に弦がサドル上を滑ったりしてるのか?という、目視で観測しづらい部分を科学で説明できず、思い込みやら何やらも入り混じって全然整理がついてないのが長年の戦況のようです。

それについて、海外サイトで誰にでもできる検証方法をあっさり説明してくれている人がいました。こちら。曰く、

1. サドルとテイルピースの間の短い部分を弾いてから(※ピョリンと高い音がするやつ)、
2. その弦を指板上で押さえてピッキングしないままベンドしてみ。

とのこと、はい、ピョリーイと音程が上がりました。弦高次第では、チョーキングせず普通に押さえただけでちょっとシャープするのが分かると思います。このように押弦動作は思った以上にサドルの向こう側の張力にも影響を与えるようで、弦とサドルの接点での摩擦がそれに関係するのはもっともらしく思えます。弦が本当に滑ってるのか、わずかにどこかが変形しているのかは分かりませんが。

ともあれオカルト扱いされがちな「テンション感」説も、「テイルピースによって弦の張力は変わらない」論とバッティングすることなく、裏付けを見出すことができ、満足しました。(完)

ちなみに海外サイトでは、好みの音色のためにテイルピースを下げるか、弾きやすさ重視で上げとくか、悩ましいんだけど…みたいな人がいると、大抵すぐさま「top-wrapをやれ。それが最強。」と言う回答者が現れます。ザック・ワイルドやデュアン・オールマンで有名な、テイルピースの穴のネック側から弦を通して、クルッとテイルピースの上を通す手法です。(=図2)

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これをすると、テイルピースをベッタベタに下げても、サドル上での弦の折れ角度(≒弦との摩擦)は小さく済み、押弦やチョーキングの感触はラクになります。そしてテイルピースがボディと接することで、ボディ材への弦振動の伝播量増大も期待できるという。

ただ長年これをやるとテイルピースに傷がついたり、単純にルックスが嫌という人もいるので、ボディにガッチリ固定するタイプのテイルピースも複数のメーカーから出てます。(そのひとつを実は昔購入済みだったりする)

だがしかし、それらの固定可能テイルピースとtop-wrapの違いがまだあると主張する猛者もいる。曰く、「サドル-テイルピース間の弦長がtop-wrapだと長くなるので、そこで鳴る音(※弾いてなくても意外と響いてます、簡単に実験可能)が変化して音色全体にも影響がある」との事。いいのか悪いのか、ライブ会場のPAで有意差が出るのか、それはあなた次第(もう面倒)。実践と確認あるのみ。

本日の最近よかった収穫:BRAD MEHLDAU「HIGHWAY RIDER」

本編が長大になったのでYoutubeリンクだけ貼り逃げします。曲が曲の体現行為と不可分に結びついているその「音楽の総体」がひたすらアザヤカ美しい、現代ジャズ界から届いたナイス・コンテンポラリー・インストポップス。金字塔感あふれる2010年作。

他にもいい買い物たまってるので、レビューだけでもコンスタントに上げていきたいところです。あと今回からジャケ画像をちょっと大きくしました。Retinaは非対応ですいません。

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