SCSIDNIKUFESIN

January 2011

31 Jan, 2011

▼つい数日前、全部比べたことはないが多分アメリカで一番信用できる地下音楽セレクトショップ・AQUARIUS RECORDSのサイトを見ていて、フィンランドのEKTRO RECORDSというレーベルを発見。音響の入ったソフト・くさメタルみたいな凄いセンスのバンドを多数抱えていたりする一方で、様子のおかしいフォーク/レトロサイケやジャズ風のリリースも。その中でもCIRCLEというのが看板バンドらしく、いっぱい出してるけど全部買ってたらキリないなーと、存在を認識だけして何もせずその日は就寝。
そして本日の収穫、めずらしく立ち寄った栄ミュージックファーストにてCIRCLE「SUNRISE」「FOREST」「TULIKOIRA」(すべて300~500円)!!。おお神よ。あとSTATUS QUO「STATUS QUO」(88年作、オリジナルイシュー)、MATS/MORGAN BAND「THANKS FOR FLYING WITH US」、IMMOLATION「HARNESSING RUIN」も。名古屋のベスト中古盤屋はミュージックファースト!
CIRCLE「SUNRISE」

本日のレビュー:CIRCLE「SUNRISE」

2002年作。ジャケのたたずまいはタチの悪いポストロックかという感じ。1曲目、JUDAS PRIEST直系の軽妙なリフに、NWOBHMっぽいオヤジ声のヴォーカルが乗る。フィンランド語なので、フランスのTRUSTみたいな可笑しさはあるものの、まずまず正攻法との印象。1分くらい経つとどうも様子がおかしく、ひたすら繰り返されるワンリフの上で件のオヤジ声ヴォーカルが狂った独り相撲を続けるのみ...。おまけにヒョロ~とアンビエントな電子音ともフィードバックともつかない音がずっと鳴っている(しかも超うっすら)。これならHAWKWINDのほうがまだマシで、変態の顔をしてない変態ってのが一番怖いです。
2曲目、一変して超アーシーなアコギのアルペジオでフォーク調に。しかしどうも展開らしい展開とかヤマ場とかを設ける気はないらしい。3曲目、今度はシンセが絡んでややTRANS AM風、しかしやっぱりリフはひとつ。ああ怖い。4曲目はフォークロアヴァイキングメタル調の哀愁が漂うこれまたアコギ曲。メインヴォーカルの前置きのスポークンワードがいつまで続くと思ったらいつまでも続く。バンジョーかバラライカかというポンポンと短い弦の音が左右の端でランダムに絡む。電子音、ストリングス。AMON DUULか初期ASH RA TEMPELか?リズムの堅さはあくまでハードロック。だんだんヴォーカルがトルコかイスラエルっぽくなってくる...。
5曲目、暗闇でつま先をぶつけながら歩くDREAM THEATERみたいなとろいリフ。歪みはファズ。ヴォーカルはSAXONばりの熱唱!!スクリーム!気がつけばインダストリアルノイズが地味に全体に敷いてある。同じリフの反復だと思って聴いていたのが、知らない間に変化している...。6曲目は9分超。ずっとTHE POLICEの曲の前奏みたい。アンディ・サマーズ来た!と思ったら来たのはトニー・アイオミ!!ドラムにディレイがかかりはじめる。ただのウワモノだったあやしい弦楽器がだんだん大仰になってきて"Kashmir"風に。7曲目、ようやく後期PSYCHOTIC WALTZみたいな「普通のあやしい曲」という感じのイントロが出てきて「ホッとする」。「普通」の水準が完全にねじれきってしまっているのに気付く。リフが1個しか出てこないのにも慣れる。うわードラムが3トラックくらい重なってきてしかもディレイつき。BURZUMミーツTANGERINE DREAMか、と掴めてきたところでまさかの転調。雄大なのか?ラスト、これは紛う事なきハンマービート。でもそれ以外はPAN AMERICANかLABRADFORD。トラックリストの時間表記を見ると15分以上ある。覚悟したとおりの展開、と思ったら残り3分半の地点でいきなり半音上がって雑なファズギター&バリトンクワイア投入!!クレシェンドそしてアッチェレランド、最後に鉄男は宇宙となる。いやこれは大変...。
たとえばFANTOMASみたいな「俺、俺!」という感じは一切なく、無人で暴走するトラックのような怖さ。もはや聴き手不在の100%アートです。ULVERより更に情け容赦ない。心酔してコンプリートするなんてことはないけど、世の中こういう人達がいるから面白いです。
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30 Jan, 2011

▼近頃は実家に帰って残留CDの山をあさっても「MELVINS初期、頑張って揃えたけど聴かない...」「ZAO(ヨシコ・セファーの)、頑張って揃えたけど聴かない...」「DARKTHRONEの1st、これだけ何故かスウェディッシュスタイルで歴史的には特異、でも聴かない...」みたいなのばっかりでいよいよ持ち帰ってくるものが少なくなりました。あとは「『価値を認めた上で聴かないもの』は持たない」というレベルまで行ければ、実家の2階の荷重を少しは軽くできるんですが。しかし集めているときは楽しかったしあれで良かった。が、当時の無謀な羽振りのよさをもう少し親孝行にでも使っていればなとも、所帯を持って両親と接触の機会がガクッと減った今にして思います。大抵のことは気づくのが人より3年くらい遅い。
DOKKEN「SHADOWLIFE」

本日のレビュー:DOKKEN「SHADOWLIFE」

随分と前に買った再結成第2弾の97年作。カムバック1発目の「DYSFUNKTIONAL」は、仮にもメロディアスHRで一世を風靡したというもともとの性質と、それなりにモダンでソリッドにいきたいという意欲がいい具合につりあって、KING'S Xインスパイア風のナイスな塩梅に落ち着いていたのですが、ここでは容赦なくダル&ダーク化。その後ジョージ・リンチが抜けて元に戻ったところを見ると、昔からフラットファイブが好きだったジョージが主犯だったのかも知れません。
先日のTALISMANの例でも書いたとおり、メタルバンドのダーク化にはいくつかの類型が存在するわけですが、このアルバムはこれまた珍しい「TOOL化」が見られます。TOOLもデビューEPを聴くと絶対元メタルの人達っぽいので、こうなるともはや近親相姦。ちょうどどれだけ気張ってもクリーンにしか歌えないドン・ドッケンのふらつきをメイナード・キーナンのそれに見立てるというビックリな離れ業に見事成功し、特に前半3分の2くらいはかなりの忠実度を達成しています。
しかしズブズブのグランジャーではないオヤジメタラーな彼らであるので、「次の音符を待てないくらいダルい」というほどの域には至らず、メタル耳でギリギリかっこいいと思えるところで止めてくれているのがいいところ。そして随所で炸裂するジョージ・リンチのリードギターのエキセントリックさよ。特別変態なスケールを駆使するわけではないですが、いつでもビシッと決まる芸達者ぶりと、意外と破綻寸前まで熱くなってしまう本気度合いのバランスが、何と言うか中年以降の郷ひろみの如きセクシーさ(ただ外見のイメージだけで言ってるかも知れないです、今や半分ボディビルの人になってるらしいですし)。
とはいえまっとうなDOKKENファンには不要な代物で、もちろんTOOLファンに勧めることもありません。開き直って懐メロ神経衰弱バンドになるくらいなら時代に流されてでもガッツを込めた意欲作を出してくれたほうが聴くに値する、と思える余裕のある「メタルの行く末観察者」にのみおすすめ。
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29 Jan, 2011

▼今日はDOIMOIの業務用デモへの仮歌レコーディングをやってきました。ヴォーカル二村の歌録り時には、彼が「メサイア」と呼ぶ存在が2つ必要になります。ひとつは普通によくある、ヴォーカルラインのガイドトラック。もうひとつはドラム用のスティックで、これがあるとないとで大違いとのこと。力をこめる場面では握り締め、時には電話中の主婦のように先端のささくれをカリカリやるそうです。今日は所有する中で一番太いのを持っていったら喜ばれました。彼に何かプレゼントしたいとお考えの人は、握ったりいじったりしやすい丈夫な小物でお願いします。
▼昼はいつもの鶴舞ラディッシュ。ランチタイムのピークに訪れるとやはり満席で、たまたまいわゆる「対決席」での相席に。
そこで向かいに座ることになった青年が、若いのが二人(註:ヨメさんと同行しました)来たと見るや「もしや...?」と、我々が水どう視聴者であることをまず確認。ほとんどこちらが認める返事をする間もなく「見てのとおり僕も『藩士』で...」とスゴイ勢いで話し始めるのですが、トーンが明らかに母校の大学の理系エリアで見かけた感じの人たち風。(というか面と向かって「オタクでしょ」と言っても喜んで肯定しそうなレベル)
この際だから、他の席の人から「あの人達待ち合わせだったんだ」と思われない程度に(彼は異常に話し声が大きく速く、書き言葉と知らない固有名詞を多用して、明らかに目立っていた)この状況に乗ってみようとなり、いろいろ質問をしてみると、滋賀県大津市在住の大学1回生である彼は鉄道マニアで、ゲームマニアで、「水曜どうでしょう」ファンが転じてこの店が大好きで、季節に1回は遠路はるばる訪れているとのこと。今日は「リッチな気分」なので新幹線で来て、そのとき食べている最中だった小倉トーストの前に日替わりランチも完食済みだったとのこと。
移動手段のことから鉄道に話題が及ぶと、いわく、鉄道マニアにも属性があり、彼の場合は写真への興味はそこそこで、電車に乗って各線を制覇することが主な楽しみ方だという。その中で、JR東海の名古屋地区在来線が1日乗り放題になる「青空フリーパス」というものが存在することを教えてくれました。
今まで知らなかった。お得な情報をありがとう、青年。
CARCASS「NECROTICISM - DESCANTING THE INSALUBRIOUS」

只今のBGM:CARCASS「NECROTICISM - DESCANTING THE INSALUBRIOUS」

iPodをシャッフル再生中、ぞくっとするくらいかっこいいこのメタルリフは何だと思って確認するとかなりの確率でCARCASS。なので改めてじっくり1枚通して聴いてます。何がどうして他とここまで違うのか、表現の術がないですがとにかく最高。ソリッドでワビサビがあり、2音半下げを必然として活かしきる無調リフの無調具合にマジックとしかいいようのないキャッチーさが宿る。ゴリゴリしているのにどこか笑えて、しかし正面きってファニー系を装う場面は一度もなし。ゴア路線からシンプル&メロディック路線への踏み切りの一歩になったこのアルバムは、グチャグチャなブラストと鈍重ダウンビートの混合比率も絶妙です。イノヴェイターとしての重要性が大きすぎるせいもありますが、彼らはセンスが卓越しすぎていたことをもっと評価されるべき。
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26 Jan, 2011

▼3日前の日記で書いたVOXの「AMPLUG」が到着。自宅で冷静に使用するとまあ音はそこそこだけど、なんといってもめちゃくちゃ手軽にアンプ気分になれるので重宝しそうです。
それより同時に注文したAUDIXのドラム用マイクホルダーが凄く信頼できそうな出来で、既に持っているK&Mのやつも全部買い換えたい勢いです。先端を普通の規格のやつに付け替えるのが可能ですので、57その他の普通の(このホルダー専用でない)マイクをつけたい人でも大丈夫。さてこれ使って早くDOIMOIの録音しないとな。
ANTHRAX「VOLUME 8 - THE THREAT IS REAL」

只今のBGM:ANTHRAX「VOLUME 8 - THE THREAT IS REAL」

なんとなく手にとって聴いております。これぞ「何をやってもANTHRAXはANTHRAX」の極み。詳しくは以前のレビューで。ヴォーカルがジョーイ・べラドナからジョン・ブッシュに交代して音楽的には確実にステップアップしたと思っていたので、ジョーイが戻った現布陣での新作がどうなるのか不安...というのも何だか長いこと言い続けている気がします。幻の4代目(ニール・タービンもカウントしてます)、ダン・ネルソンのヴォーカルで録ったニューアルバムのヴォーカルトラックだけ差し替えてさっさとリリースするという話はどこへ行ったんでしょう。懐メロ行脚バンドになり下がるにはまだ早いというのに!
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25 Jan, 2011

▼世を忍ぶ仮の職場に突如「しーんとして息苦しいだろうから」という誰にも求められていない配慮によってFMラジオが導入され、しかも2~4kHz付近を中心として常にオーヴァードライブ気味な安い音(筐体サイズは手のひら大)が耳について仕方がないので、一人イヤホンを装着し、作業に使うのと違うブラウザでそのへんのMyspaceの音源を流しておくかiPodを持ち込むかという生活が昨日から始まっております。
半日とかバカみたいな長さの時間、Myspaceの音源を聴いて過ごすなんてことはそうないので、中古盤屋で見かけてちょっと気になって帰宅すると忘れてしまう人達などをチェックするのがなかなかいい(無論、ほんとに、世を忍ぶ仮の仕事をしながら)。COLLECTIVE SOULはグランジ臭がゼロになってただメジャー感があるだけのバンドに。SILVERSUNははじめからノセられる用意で聴けばかっこいい(特に昔、恥ずべきほどにNIRVANAかぶれ)。AUDIOSLAVEはどうやっても期待以下。STONE TEMPLE PILOTSの要領よさのポテンシャルは計り知れない。HOG MOLLYかっこいい!などなど。グランジのディープな部分をもうちょっと知りたいというのがここ数ヶ月のテーマのひとつです。いま中古CDを格安で探しているのはMOTHER LOVE BONE。
TALISMAN「HUMANUMAL」

本日のレビュー:TALISMAN「HUMANUMAL」

懐かしや。ジェフ・スコット・ソート(Vo.)とマルセル・ヤコブ(B.)という元イングヴェイ組の2人を中心とするバンドの94年作。北欧メタルの良心だった彼らが宗旨替えした作品としてリリース当時はかなり賛否両論を呼んだ作品です。15年以上の歳月を経てようやくまともに聴きました。
この時期のメタル作品でバッシングの対象になるのは大抵「ALICE IN CHAINSまたはPEARL JAM化した」もしくは「PANTERA化した」のどちらかで、このアルバムもジャケを見る限りそのどっちかだと踏んでいたんですが、音像こそかなりソリッドになったものの実際は「ファンキー化した」という変わり方だったので意外でした...当時のトレンドだったとしても2~3年遅れてますがな...。ホーンセクションを入れたりあからさまな支離滅裂ミクスチャーに走ったりということまではせず、時にレッチリ風に、時に初期EXTREMEのように、しかし要所要所でしっかり泣きと整合感で押す旧来スタイルも挟んでバランスを取る。結局最後の旧来スタイルだけあればいいんじゃんという気もしつつ、今回は骨太にいくぞという意気込みが全体を通して漂ってきて、アルバム総体としてはなかなかいい佇まいをしています。
TALISMANは音楽的イニシアティヴを握るのがベーシストであるので、ファンクネスを醸し出すために重心を落とすという変化がバンドの持ち味を引き出す結果になったのは、このアルバムの非常に良かったところだと思います。OVERKILLの「W.F.O.」ばりにベースの存在をグイグイ感じる肉感的な仕上がり。そのマルセル・ヤコブ、2009年7月に自殺してしまっていますが、リウマチとその他原因不明の身体の痛みによってベースをかついで弾くこともままならない状態になっていたそうで...。本腰入れて彼の作品群を追ったことはないですが、このアルバムでの卓越した演奏を聴いていると、どうしてこの人が...と残念な限りです。ラスト前に収録の鬼気迫るタイトルトラックにうち震えつつ、合掌。
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23 Jan, 2011

▼ブックオフをガツガツ廻る意気込みで臨んだ本日、日中でも緩まぬ寒さに「一度に無理しなくても...」ということになって結局大曽根・黒川の2店のみハシゴして完。で黒川のほうで収穫ありまして、AEROSMITH「BIG ONES」を250円で。オリジナルアルバムは手放してシングル曲だけをコンパクトに手元に置くという30代からの新しいチョイス。"Amazing"と"Angel"と"Livin' On The Edge"が聴ければオールOKです。
▼その後立ち寄ったパルコ島村楽器で、VOXのヘッドホン専用ギターシミュレータ「AMPLUG」のコーナーに「試奏できます」の文字。どんなものかと気にはなっていたので、ほとんど暇つぶしくらいの気持ちで試奏させてもらってきました。これが思った以上に満足感のある音でびっくり。何より手軽さがスゴイし、鳴らした音のイメージから曲を作り進めたい時とかにこれがあるとムチャクチャ便利そうです。エキサイターと極短ディレイでもうっすらかければ普通にカジュアルなレコーディングに使えてしまえそうなレベル。Youtubeにも参考デモがありますのでどうぞ。迷ってその場では買わなかったものの、他に必要なものがあったので帰宅後にひさびさのサウンドハウスからポチッと。早く活用したい。
CHAVEZ「BETTER DAYS WILL HAUNT YOU」

本日のレビュー:CHAVEZ「BETTER DAYS WILL HAUNT YOU」

ZWANへの参加やウィル・オールダムとの活動で知る人ぞ知るギタリスト、マット・スウィーニーがやっていたバンドの2枚組アンソロジー。随分前にネットでちらっと試聴したときは、いかにもローファイっぽいヴォーカリゼイションのせいもあってPOLVOあたりと同列の「ノイジーな変則インディロック」程度の印象にとどまっていたんですが、今池P-CANにずっとあったこの品が遂に値下がりしたので再確認のつもりで聴いてみたら、実はスゲー!となって購入。本当はSTIFF SLACKで新品買うべきでした、バチ当たりでもう死にそうですすみません。
90年代中期のMATADOR音源ということで、先述のPOLVOやら、3枚目までのPAVEMENTみたいなブッ飛んだノリが目立ちはするのですが、奇天烈ノイジーな要素だとか変則拍子だとかをきちんとオーガニックな楽曲としての形に落とし込むセンスが異常に卓越してます。あらゆるベタを迂回してそれでもまだストレートに迫る訴求性があるというのは、確かにSHINERとそれ以降の流れにも大いに通じる要素。グイグイッと制止力を効かせてヘヴィネスを際立たせるようなリフメイキングこそないものの、割と轟音気味に歪んだギターをローA(5弦のオクターブ下)まで下げていたりして、変則性+グッドメロ+音圧のコンボはひとしきり出揃っています。TRAINDODGEなんかも初期は特にここからの影響が色濃いですね。HUMとかFAILUREとかはそろえたけどこのバンドはまだ、という人はぜひ手に入れてるべき盤です。あとサウンドプロダクションが2枚組の最初から最後までやたら最高で、言われなければ15年前だとは到底思えないクオリティ。
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22 Jan, 2011

▼本日のラディッシュのモーニングはトーストしたパンのサンドイッチでした。最高だった...。若い者が行くと、遠方から来た水曜どうでしょうファンだと思ってか時々藤村Dのお母さんが出てきて話してくれるんですが、今日もいい話が聞けました。ラディッシュはいまのところ最強の外食先でして、来週もきっと行くことでしょう。
▼DOIMOIの練習の定石は土曜午前。今月からオープンした名東区のスタジオを使ってまして、午前感と郊外感のコンボが非常にいいです。
▼昼は食べログで発見した高岳ダッカへ。実家時代にいつも自転車で通っていた道ぞいにあった店がまさか全国区の有名激盛り店だったとは。メニューは基本的にパスタ・カレー・ピラフ・ハンバーグ・焼きそばの組み合わせで、味は「心配に反して普通においしい」というところ。やたらめったらに炭水化物を食べたいときにはいいでしょう。
▼その足で寄った今池P-CAN FUDGEにて本日の収穫QUEENSRYCHE「OPERATION:MINDCRIME II」、WHITESNAKE「1987/SLIP OF THE TONGUE」(AXEKILLERからのボーナストラック入りリイシュー!)、CHAVEZ「BETTER DAYS WILL HAUNT YOU」。
▼夜は新栄アポロシアターにて催されたイベント「山折りdeナイト」にて、HADAさんのバックでキーボード弾いてきました。まだ聴いたことがない新曲がセットリストに含まれていて、リハで渡された歌詞カード(コード進行は1種類のリピート)には「終奏 キーボードソロ」と...なんか それらしいものは弾いておきましたが 最後までよくわかりませんでした。出番以外はオーディエンスとしてゆっくりイベントを楽しみまして、終始ほんとに凄くいい内容でした。中でもTHE ACT WE ACTの化けようにはブッたまげて、近々リリースになる新作のコメント寄稿用にサンプルCDをもらってきたのですがそれも異常な出来。リスペクト!!見るのが4~5年振りくらいになってしまった気がするジョンのサンは、改めて恐るべき存在であることを確認しました。
▼終演後、土曜だしまだ千種Rが開いている...と思って突撃してみるも「麺切れで、すいません!」と。仕方がないので、心ある人としては最悪な「Rがだめなら日の出」というコースに甘んじることを決意し、ひさびさに日の出ラーメンのクオリティを確かめる方向に変更。ログメン星君が勧めていたカレーつけ麺をオーダーしてみたところ、つけ汁がほとんどカレーうどんのつゆ状態で、感動はなくとも安心して食べられました。麺も激盛り系を自称して中途半端にカマボコみたいなブツ切れ麺を出してるところに比べれば全然しっかりしてました。あとはあのバイト感さえ排除してもらえれば。
QUEENSRYCHE「OPERATION:MINDCRIME II」

本日のレビュー:QUEENSRYCHE「OPERATION:MINDCRIME II」

プログレッシヴ派HMの先駆け・QUEENSRYCHEの2006年作。コンセプトアルバムとしてはメタル界を代表するほどの出来として名高い88年の「OPERATION:MINDCRIME」の続編として作られた作品です。ダークではあったが充分いい出来だった94年の「PROMISED LAND」より後は、トレンドから遅れること何年だという感じのダルなシアトルグランジかぶれなアルバムを何枚か作っていて、盛りを過ぎたバンドの腐れアルバムを基本的には肯定する私もついていけない内容で長らくノーフォローでいました。このアルバムは久々に良いと話には聞いたものの、どうせDEF LEPPARDの「EUPHORIA」みたいに白けるんだろうな...とスルーし続けていたのですが、気になることが1点。故ロニー・ジェイムス・ディオががっつりゲストヴォーカルで参加している曲があるということで、結局それ目当てで購入に踏み切りました。以上長い前置き。
内容は確かに、ほどよい悲哀と緊迫感の漂う往年の作風とテンションが戻っている。モダンな要素もそこにプラスで乗っかっていて、キャリアの長いバンドの新作においては悪くない事象です。近頃のメタルは(ベテランであっても)スクリーモ風のちゃらちゃらした泣きに毒されていることが多くて個人的にはウンザリなのですが、そんなこともなく80~90年代気質の延長として聴けます。全盛期にひけをとらないグッドリフ・グッドフックも満載。
結局、音楽的充実度については「88年の前編を参照」というのがすべて。問題は、近い時期に続けて出ていたならよかったけど、違う音楽性に転じていた期間を挟んでまた昔どおりのスタイルに戻ったからといって、過去の名曲と同じ並びに登録して同じように愛せるかということです。もう先入観とか気持ちの問題なんでしょうけど。「その時、やりたいようにやった」ものが「そうなるようにやった」ものより圧倒的にリアルに感じられるのは仕方がなくて、あとは「どんなでもいいから戻ってきてほしかった」とかそういう思い入れがあるかどうかなんでしょうね。こういう作品は。QUEENSRYCHEを初めて聴く人、「何があってもそこから聴こえてくる音だけで判断することこそがフェアだ」という信条の人には関係のない問題でした(後者は自分には絶対無理だし逆に不健全だと信じている)。
とかグダグダ書いてしまっている時点で「88年の前編の範囲内に収まる秀作」だったってことなんでしょうか。秀作には違いない。高校時代に前編を聴き込んだ経験がフラットな判断を妨げているだけかも知れない。とりあえず、ロニーのパフォーマンスは最高でした。ジェフ・テイトはさすがに初期のエキセントリックなまでの超強力ハイトーンと比べると、少しおぅえっという気張り感が滲むようになっちゃってます。あとこのヴォーカルの占有領域が異常にでかいナローレンジなハイコンプレッションサウンドが全くいただけない。今風のロウ&ラウドを狙ったんだろうけど、立派なオーディオシステムで音量をグイッと上げたときにアリーナが見えなきゃ一流のメタルアルバムじゃないっす。ドラムのタイコ類がどうもトリガーっぽく聴こえるのもモヤモヤする(フィルイン時のタムが相当あやしい)。試聴して買ったはずなのに何でこんな文句ばっかり。
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20 Jan, 2011

▼たまに早く帰っても大して生産的になれず、なかなか出来んな~曲...と腐っていたこの頃、足りないのはサイクリングでした。寒いから。(註:秋ごろから休日朝に一人で早起きして片道30分くらいの曲作りサイクリングを試みる生活を送っていました。実際2曲くらいいいのができた)
てことで今日は夜にひとっ走りして本日の収穫、サウンドベイ上前津にてMARILLION「SCRIPT FOR A JESTER'S TEAR」を珍しく500円棚から。続いて金山にもハシゴしてTALISMAN「HUMANUMAL」をこれまた珍しい輸入盤で!うおお充実の買い物。今度の日曜は、最近ヨメさんがブックオフで懐かしの歌謡CDを投げ売り棚から発見する楽しみを覚えたのをいいことに手近なブックオフを周る予定だから雨とか雪は降らないでもらいたい。見つけたいのは男闘呼組のできればベスト盤(ヤフオクで軒並み激レア価格)。フルアルバムには入っていない"Time Zone""Daybreak"がまるでPRAYING MANTISかFIFTH ANGELばりの完成度で、聴く度に腰抜けます。彼らにこうさせた(というか多分彼らの代わりに演奏までしたであろう)お膳立てチームに心底敬意。てのは中田ヤスタカをヨシとするPerfumeファンと同じ心理なのかな。
MARILLION「SCRIPT FOR A JESTER'S TEARS」

本日のレビュー:MARILLION「SCRIPT FOR A JESTER'S TEARS」

高校時代からず~っと気になっていた1枚をようやく購入。MARILLIONは中途半端な時期のほかの作品を2枚くらい買って、どちらも手放してしまってそれ以来縁のないバンドになってたのですが、初期はもろGENESISだという情報はあったのでちょっと欲しいなと思い続けていたのでした。
ということで83年1st。5~4人時代の牧歌シンフォGENESISのまさに生き写しです。YESの残像であるSTARCASTLEだとか、QUEENSRYCHEに101%近似しているNEW RELIGIONを気持ち悪がってる場合じゃなかった。アンサンブル具合とか曲展開とか転調のクセとか、バックメンバーが全員利口そうでヴォーカルだけブッ飛んでるという力関係まで全てがそのまま。
違うのは年代なりの録音状態になっていることだけ、かと思ってよーく聴くと実はそうじゃないところがあって、大仰でせわしいポンプロックのゴタゴタの合間に、何だか全然急いでいない冷ややかな詩情がタラーッと広がっているのに気づきます。このイメージこそ90年代以降に顕在化する根暗アンビエントMARILLIONの中核につながる部分。といっても憶測だけでちゃんと聴いたことないので今あわてて試聴音源探していくつか聴いてみましたが、今の彼ら、U2ミーツCHROMA KEYみたいになっちゃってるんですね。熟したもんです。
その片鱗を楽しむためにこれを買えとは言いませんで、やっぱり黄金期GENESISに飽き足らない人が買ってください。
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19 Jan, 2011

▼そういえばここで全然告知してなかったですが今週末HADAさんのバックバンドでこれに出ます。
1月22日 (土) 名古屋 新栄 アポロシアター
裏7586プレゼンツ「山折りdeナイト」de新年会
17:00開場 / 17:30開演
HADA, カオティック・ガール・シンドローム, ジョセフ・アルフ・ポルカ, ジョンのサン, kamitani+yodo, THE ACT WE ACT, 旅行気分, トゥラリカ, DJ WHITESHOCK(from 6eyes), DJ UNPOMN(from DzzZooO), and more
前売1,800円 / 当日2,300円
今回はレコーディングで叩いていた松石ゲルさんも参加、ジョンのサン神谷君と私とで、ベーシックトラック組が揃います(このメンツで録ってトラックダウン→マスタリングまで済んだものに急遽Keiさんのギターとまっち君のコーラスを入れてアルバムは完成しました)。当然練習は現地でのリハのみ。しかも新曲をやるらしいのだが...コード進行だけが知らされていて、イメトレの術すらなし。お楽しみに!!震える。
SEPULTURA「AGAINST」

本日のレビュー:SEPULTURA「AGAINST」

今、個人的に空前のSEPULTURAブーム中です。もちろんデリック・グリーン加入以降。強靭さと洗練が究極の高みで合体した「NATION」をずっと推していた私ですが、以前友人に「『AGAINST』が一番」と言われて聴き返している次第です。
98年リリースのこのアルバム、前作「ROOTS」で円熟を見たトライバルグルーヴメタルをマックス・カヴァレラ(Vo./G.)が脱退ついでにゴッソリ持ち出して、何が残るかと思ったら、ノイズ志向の危ないギターワークと、ダウンビートを使いこなすディープなエスニズム/プリミティズムにまみれた、野蛮極まりないハードコアメタル。更に新加入したアメリカ生まれの黒人シンガー、デリック・グリーン(Vo.)がうっすら漂わすラガテイストと相俟って、やたらとグローバル感あふれる異次元サウンドが拓けてしまった記念すべきアルバムであります。
この次のアルバムからは細部までピシっと意思のこもったシェイピングがなされるようになってそれはそれで最高にかっこいいのですが、ここではまだ柔軟さがあるというか、発生したての固まりきらない感じにどきどきします。和太鼓との共演もありがちな安っぽさを見事に回避して、THIRD EAR BANDばりのドロドロ感につなげるという大人の匙加減。とにかくメタルとしては異例なまでに心の広い作風になってますので、ボーダーレスな聴かれ方をしてもらいたいところ。
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17 Jan, 2011

▼昨日はうわー大雪だと思って何もできず、一日家にこもるのもナニだと思って夕方頃に徒歩圏内にあるイオンに行ってみたところ、惣菜コーナーは半額の嵐、パン屋が全品10%OFFから更に20%OFFになるところも目撃(もちろん客足がなさすぎて)。特に恩恵にあずかることもなく非常事態感のみ満喫して帰ってきましたがどことなくテンション上がりました。あと食べ比べたことはないがクレープはデザート王国のがうまいですね。
▼勢いにまかせてIS03を予約したものの、そもそもスマートフォンじゃなくて全然いいんじゃないかというコペルニクス的血迷いが押し寄せる今。機種変更をしたらその先4~5年は使い続けるであろうことも加味してのベストな選択が全然わからない...スマートフォンの真逆の「モバイル通信生活に全くこだわらない人のためのこだわり無機能ノーマルケータイ決定版」を出さないかな、カシオが。
OPPRESSOR「AGONY」

本日のレビュー:OPPRESSOR「AGONY」

以前94年リリースの1stを紹介していたUSテクニカルブルータルデスメタラーの96年作。イリノイ産とあってBROKEN HOPEのブライアン・グリフィンがプロデュース&エンジニアを手掛けています。1stで感じられたやりすぎ系の個性はここではかなり落ち着いて、統制のきいたヘヴィネスでゴリョゴリョと低いところを押し削ってくるタイプになりました。妙にメロディアスなリードギターが入ったりするあたりは「HUMAN」の頃のDEATHっぽくもあり、高域単音リフで変態っ気を見せるあたりはややGORGUTS風でもあり。やたら背景が黒いシックな音響感(?)はBROKEN HOPEと通じる部分も。スパスパ飛ばす爽快感よりもあくまで重圧が目立つってことで、総じてSUFFOCATION系の辛口がお好みならおすすめという感じです。そのときの気分でうおーいい...と思うときと何だ普通じゃんと思うときが分かれるような中途半端な突き抜けなさ具合ではありますが。
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15 Jan, 2011

▼前回の日記の件(更新を怠ってアコギの練習をしているくだり)の本番=IOUEEEライブをSTIFF SLACK横ABSENTEEにてやってきました。今回のスタンダードナンバーは前にもやったPANTERAの"Walk"、新しくSEPULTURAの"Refuse/Resist"とMETALLICAの"Enter Sandman"、『大改造!!劇的ビフォーアフター』で家が完成したときのテーマをしょーもない感じで。そのうちアレックス・スコルニックみたいなアルバムを勝手に作りたいです。劇的に暇になったりすればの話...。
カオティックガールシンドロームのダイスケ君が最近始めたユニット・ピーターフォークを初めて見れたんですが、アコギ弾き語り+木琴(たまにアルト&ソプラノリコーダー)で異常に高い完成度を誇るデュオでした。静かな脅威がシーンにまたひとつ、アメ研界隈のみなさんはスゴイなー。竹岡君(ALLie)+田島君(a million miles)の弾き語りデュオ、yokさん、予定調和のごとく客席から引っ張り出されたCLIMB THE MIND山内君、更に若干抵抗するところを引きずり出されたタクミ君によるトゥラリカ・アローン+新川さん(iPadドラム!)でシンガロングと、全員アコギが巧くて改めて己のダメ具合を確認。アコギは大人のたしなみなのか。しかし終始調子のよい新年会になったことです。
終了後は数人で突発的に焼肉を堪能して23時過ぎに帰宅という理想的なシメになりました。催しごとを楽しんだ後でそこそこの時間に寝れるってのは嬉しいです。休日のライブは全部デーゲームみたいにならんかな。
SEPULTURA「CHAOS A.D.」

本日のレビュー:SEPULTURA「CHAOS A.D.」

(日記からの続き)今回和みフォークアレンジで"Refuse/Resist"を手にかけるにあたってヴォーカルラインの譜割り確認のために久々に出してきてついでに全編聴きました。ブラジルでは英雄のSEWPULTURAがスラッシュ時代の金字塔「ARISE」で洗練を極めたあと93年にリリースした作品です。プロデュースとエンジニアはアンディ・ウォレス。
METALLICAのブラックアルバムでのコンパクト化、PANTERAがダメ押しした重圧グルーヴスラッシュ、ALICE IN CHAINSその他によるメタルのエッジを残したグランジ、BIOHAZARDが挑んだラップメタル、JANE'S ADDICTIONやPRIMUSの登場によってくっきりしたミクスチャーなどなど、この時期はいろんな新しいものが同時に多方面から押し寄せていたタイミングでしたが、SEPULTURAの場合は一見PANTERA化したようでいて、リフの端々に漂う極度の鋭角感だとかノイジーなフレーズを繰り返すシーケンス感が、MINISTRY~NINE INCH NAILSの流れで沸いたインダストリアルメタルの香りをかなり濃厚にまとっているのが感じられます。マックス・カヴァレラがFUDGE TUNNELの人とまさにインダストリアルメタル一辺倒のサイドプロジェクト・NAILBOMBを立ち上げることからも、その辺の音に傾倒していたのは確かでしょう。
ただそれを普通にはやらずに、ブラジル土着の音楽を持ち出してきてリンクさせることで、90年代中盤に一時的に流行るトライバル・グルーヴ・メタルの礎をたまたま築いてしまったというのもこの作品の価値あるところ。(次の作品「ROOTS」で完全に確立させるわけですが、誰が何をやっても「ROOTS」みたいにしかならないということでけっこう早々に廃れてしまいます。)それとアンドレアス・キッサーのリードギターがいきなり人力インダストリアルノイズの道に覚醒してしまったのも見逃せない点。このトンガリ具合がマックス・カヴァレラが去ったあとのSEPULTURAを支えているといっても過言ではない。90年代初頭の、「新しい動きをなんとなく意識してやってみたらたまたま更に新しいものが出てきてしまった」という創造的な連鎖をよく象徴する1枚であります。
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12 Jan, 2011

▼日記更新を怠りがちな時期にやっている可能性が高いのはアコギの練習です。今回の案件はこれ。新ネタ(SEPULTURA)仕込んでみたけど通じるのかいな。
▼さかのぼって10日日曜はログメンで鶴舞K.Dハポンに出演してきました。ようやく落ち着き払って安定した演奏ができるように...と思ったのは2曲目までで、あとはいつもどおり格闘状態に。もうああやって頑張るしかない。曲を難しくしすぎなければいいのに!どういうわけかそれは無理。
このまま時系列を逆行し続けます。リハ前に早めの夕飯をということで、最近行ったばかりの鶴舞・一刻屋にて台湾まぜそばにトライしてみました、がノーマルまぜそばのほうが良かった。星君はノーマルでご満悦の様子。
昼食はここのところ調子よくリピートしている鶴舞・ラディッシュで、大量のランチを平らげたあと念願の小倉トーストもいきました。祝日は休みだと思っている人が多いのか普段よりすいていて、追加オーダーもしやすい感じでしたよ。超厚切りの食パンの上に湯気をあげながら小倉あんがしたたり落ちる特製小倉トースト、豆の味がダイレクトにわかる控えめの甘み加減で、思ったよりデザート的ではなかったけど他ではまず無いであろう秀逸な品でした。追加するならランチよりモーニングのほうが向いてる感じですが、朝は「まだ小豆を炊いている」とのことで注文できなかったりする(何せ裏メニュー)ので注意。
CINDERELLA「NIGHT SONGS」

本日のレビュー:CINDERELLA「NIGHT SONGS」

86年リリースの大名盤1st、ようやく輸入盤で買い替えることができました。CINDERELLAはこのアルバムを断然好いとります。デビュー当初は「ジョン・ボン・ジョヴィに発掘された」ということで知られたバンドですが、音楽的にはあまり共通点なし。ヴォーカルがとにかくAC/DC(ボン・スコットよりはブライアン・ジョンソン)風で、曲は80年代後期によくあったブルージーHRを標榜していくことに後々なるのですが、この1stだけがDOKKENミーツSKID ROWてな湿り具合とワイルドさのバランスを見せており、必死なファルセットも俄然活きてます。ただただバッドボーイ風なだけでスルッと抜けていってしまう凡百のモトリーくずれにはないナイスフック満載。
件のジョン・ボン・ジョヴィもバッキングヴォーカルで参加していますが、ゲストの面子で地味に見逃せないのはトニー・ミルズ(SHY)とジェフ・パリス(MR. BIGの"Lucky This Time"の共作者として知られるメロハー職人)。ただしいずれも存在はほとんど感知できません。クレジットがあることに意義がある。
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9 Jan, 2011

▼鶴舞DAY TRIPでのDOIMOIライブから帰宅。ひさびさのDAY TRIP、色々と変わっていて以前より過ごしやすくなってました。何より、ステージのど真ん中から客席の方に向かってランダムに動く迷惑なレーザー光線が消えうせてストレス大幅減。スタッフのかたも若い人にがらっと入れ替わっていて、前とはまったく雰囲気が違ってます。またお世話になりたい感じでありました。肝心のイベントのほうも、個人企画なだけあって濃いバンドが集まっていて大満喫。すべて初見だった県外陣の皆さんの中では、京都のARBUSという人たちがNECROPHAGISTかBEHOLD...THE ARCTOPUSかという華麗な激弾きカオティックメタルで、これはヤバイと戦慄が走った次第。メンバーの半分がメタラーで構成されているALLieのメタル代表・ゲッツ君は今STRYPERにハートをつかまれているそうです。素晴らしい。STRYPERみたいな新曲もぜひおねがいします。
▼ちなみに昼はプレオープンで会員限定無料開放がされていたBLスタジオ名東店を利用してきたんでした。やたらハイテクなコーヒーメーカー、手作りっぽいおにぎり(タイミングが合えばよっぽど買おうかと思った)、五線のひかれた黒板つきのミーティングスペースなど、至れり尽くせりの設備で相当いい感じです。何かあっという間だったけどいい一日でした。
CROWBAR「LIVE +1」

本日のレビュー:CROWBAR「LIVE +1」

昨日の収穫から。フィル・アンセルモのDOWNとかけもちしているメンバーがいるはずの、サザンスラッジシーンの巨石。94年にリリースしたライブ5曲+スタジオ録音1曲のEPで、嬉しいPAVEMENT MUSICオリジナルイシューをゲットしました。スラッジといってもMELVINS系のサイコな壊れ方はしていなくて、ギターのトーンはグリグリと気持ちいいスラッシュ仕立て。ストーナーくささの薄いドゥーム(TROUBLE~SOLITUDE AETERNUSラインの)がベースになっているのが非常に好みです。それでいて時々パンキッシュにギアを上げるという変化球もあり。まさにPANTERAやC.O.C.の界隈を象徴する塩梅です。ヴォーカルは巨デブなだけあってTADに似た潰れ方をした歪み声で、しかしただの咆哮はせず常に湿っぽいメロディを一生懸命歌います。この辺も好感度の高いところ。
とここまでライブ盤としての内容に一切触れてないですが、録音状態がやたら良いことも相俟って、スタジオ盤に近い安心感で聴けてしまいます。変に走ったりすることなく、バンドの持ち味の重々しさをしっかり醸し出しているし、ヴォーカルもマイクの前で微動すらしてないんじゃないかという鉄板ぶり。やっぱりデブだといろいろ安定するのかな...と何かにつけ体型の話題を持ち出したくなってしまいますが、無理もないということは分かってください。知らない間にたくましいガチムチになってるけど昔はもっと本当に小錦みたいなのが二人フロントにいたんです。作風は安定しているのでスタジオ録音の1曲についても特にどうだということはないものの、最低弦がローAでパワーコードを鳴らしているから全弦3音半下げ(もしくは2音半下げ+ドロップA)を敢行している模様。震える。
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8 Jan, 2011

▼平日は特に書くことがないと嘯き、休日は食事の話題ばかりとは、生産的活動を何もしていないようではないか。と思いつつ今日も食事の話題を。
昼は長年近くを通りかかっているだけだった鶴舞のてんぷら天を初訪問。歩道橋があるFM愛知の交差点を北に入ってすぐのところにある小さな入り口の店です。入りにくそうな外観の割に中はきれいで、おジャズなどが流れるいい雰囲気。惜しいタイミングでノーマルな天丼が売り切れてしまったので定食をオーダーしたんですが、サッと揚がってすぐ出てきて、しかもエビ・魚類は食べてる途中に揚げたてを別便で持ってきてくれるという気配り。油で揚げたものを食べているということを忘れるような上品な油で、天つゆもついてきたのにほとんど塩で食ってしまいました。昼に行く限りはそうお高くない(700~1,200円)のも嬉しいところ。丼物・定食ともゴハンの量は融通ききますので(親切に「おかわりできますよ」と勧めてもらえました)大食いも安心してどうぞ。日曜休み・祝日営業、11時オープンで12時過ぎには看板メニューの「大えび天丼」700円がもう売り切れでした。あー何か、「食べログ」の見過ぎだな。
本日の収穫、ブックオフ熱田1号店にて軒先の200円ワゴンからEXTREME「PORNOGRAFFITTI」(ようやく外盤ゲット)、BACKSTREET BOYS「BLACK & BLUE」、店内500円コーナーからCROWBAR「LIVE +1」。少しおかしい点がありますがフォローはのちほど。嫁さんが同じく200円ワゴンで掘り当てた薬師丸ひろ子のベストも良品でした。
▼夜はこれまた灯台もと暗しシリーズで、鶴舞公園入り口すぐのラーメン屋一刻屋へ。カウンターのみの手狭な店内ながら雰囲気は落ち着いていて、和やかにテレビを眺められました。オーダーしたまぜそばは、甘辛いタレに好みが分かれるところでしょうがきちんと手は込んでいて、味つき肉の細切れ・ゆでモヤシ・刻んだメンマ・台湾ラーメンに乗せているであろう辛いそぼろ肉・卵・魚粉などなどξ...もとい具材(ためしに「ぐざい」で変換してみてください)も豊富で、食事としての満足度は高め。まぜそばのみ並盛りと大盛りが同一価格なのも嬉しい。太麺とはいってもらけいこ系列のようなガシガシの激パンチはないですが、逆に日常食としてリピートしやすい感じです。賛否両論が分かれるノーマルラーメンの玉ねぎスープについては、卓上の酢や豆板醤で何とか好みのバランスに持っていけると思います。無休営業ですので鶴舞近辺でラーメン難民になったという時には一度駆け込んでみてください。
そこから千種イオン1Fのカルディでシメのコーヒー、というのが、近隣住民がお勧めする最良コース!たまには買い物もするので赦してくれていると思いますカルディも。
BACKSTREET BOYS「BLACK & BLUE」

本日のレビュー:BACKSTREET BOYS「BLACK & BLUE」

これが何枚目の作品なのかも調べないまま書いてます。2000年リリース。投げ売りワゴンで拾っただけあってジャケの状態が悪い...。テレビ番組かFMかでチラッと聴いて以来、BACKSTREET BOYSは勝手にJOURNEYと空目しながら聴くといい塩梅なんでないか?と長年思い続けていたのでした。結果的には、期待した部分も興味持てないだろうなと思った部分もおおむね予想通りといったところで、「こうなるだろうなと予測したままに楽しめた」という感じです。
何曲かは、確かに声をスティーヴ・ペリーやドン・ヘンリーに脳内変換したら最高のシャバシャバメロハーチューンになりそうで、日ごろ親しんでいるハードロックやAORでグッと来ているのと同等の感動が潜むのを発見できました。だがしかしそこはアイドルグループ、きっと豪華なのであろう作曲/プロデュース陣によって巧みにラテンともR&Bともつかぬ非アングロテイストを混ぜられることによって「男のセクシーなかっこよさ」をちょいちょいアピールしてきます。このとにかくよくできた(「とにかく」を「よくできた」と同じ重さで読んでください)感じがまさに、変にえせR&B風だったりする嵐の非シングル曲とか(サウンドベイの店内BGMでアルバム丸々一枚聴いたことがあります)から感じていたものと一緒で、世にはびこる化学調味料の実体を見たような心地です。先述のJOURNEYぽい部分も結局は化学調味料。誰にでも優しく適度に元気づけてくれることがこの音楽の使命なのだから、非難するにあたることではないでしょう。
ということで、「臆面なき恥ずかしさ」にドキドキするつもりが、(演者自身ではなくそこに関わる人々による)「高度なシェイピング技術」に注意が行ってしまっただけという結果に終わりました。勉強にはなったし間違いなく「いい作品」だった。興味を持つ人を止めもしませんし、違うアルバムを300円以下とかで見かけたら懲りずに買ってしまうかも。「デズモンド・チャイルドなら何でもいい」という人とかにはむしろ勧めておきます。
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6 Jan, 2011

▼靴屋で最も耳にする店員のセリフ、「よかったらサイズ出しますんで」、んじゃ今すぐ出してくれと、適合サイズが28.0~28.5cmの私は毎回思うわけですわ。と何年か前にも多分この日記で書いていた気がします。
サイズをきいてとりあえず倉庫に走っていくものの、何かを思い出し損ねた瞬間のナイツ塙の顔で戻ってきて「27.5までですね~」「28以上はメーカーも作ってないですね~」とバリエーションの少ないオチ(しかも後者はときどき嘘)を見せられるという経験をもう何度したことか。という気持ちでいっぱいになりながら今池「ツルヤ靴店」で昔は4Fにあったキングサイズコーナーで、たまたま29cmのを買えたK-SWISSの一番シュッとした形のやつを長らく愛用していました。
1代目がいい加減ボロボロになって、同じ形で同じサイズのだったら実店舗を探し回らなくても安心して履けるということでネットで2代目を買って以来、「スニーカーのことは全然よく知らないが、一生これでいいだろう」という、こだわりなのかこだわりの放棄なのかよくわからない決意をし、このほど3代目を探し歩いていました。が、見てみると近頃のK-SWISSは、何だか知らないが女性用・子供用やつくりの簡素な格安ラインばかり手厚くして、メンズでまともなやつ(の28.5cm以上)が本当にどこにも無い!!月星化成改めムーンスターが国内取扱を仕切ったりするからだ!!
というのがここ数日で一番大きな感情の動きでした。低空飛行に甘んじていると小さな起伏に固執してしまって、うっかり月星化成とかにビックリマークを多めにつけてしまったりします。もう少しまともな平日が過ごせるようになろうこの春からは。
▼ちなみに引き続きK-SWISSの話、以前履いていたのと同じカラーが今は完全に消えてしまっていて、なんであんなオーソドックスっぽいやつをやめてしまうんだろうとガックシきていたら、USサイトにこんな夢のようなセミカスタマイズサービスが。しかも日本にも発送可能(送料が安い靴くらいするけど)。出世したら2年おきぐらいに愛用してやろ。
SIEGES EVEN「THE ART OF NAVIGATING BY THE STARS」

只今のBGM:SIEGES EVEN「THE ART OF NAVIGATING BY THE STARS」

最近聴き返したら凄く良かった品を。ドイツの元祖マスメタルバンドの復活作6th。購入当初のレビューでは勝手に期待と食い違ってしまったために微妙なリアクションを示していたようですが、思えばこのバンドはどっちかといえばRUSHにかぶれていた初期の作風の方が好きではあったので(4th・5thで弾いていたギタリストのエキセントリックさも捨てがたいですが)、今となっては全然最高です。音圧と湿っぽいメロディの対比が2000年以降の商業エモの香りを若干まとっていることもあって、変拍子といいきわどいアルペジオといい、エモ/ポストロック好きの人に強く推薦できるメタルアルバム。
それにしてもこのギタリストは相当RUSHが大好きみたいで、随所(しかもかなり芸の細かいところ)にオマージュといえるレベルでツーンと香るRUSH臭が。いけるクチのかたはそのへんを探しながら聴いても楽しいです。

3 Jan, 2011

▼同じタイミングで誰もがやっていること・言っていることを自分の場合は省略したい、という性分が年々強まってますがこれは言っておかなければいけない。皆さん明けましておめでとうございます。今年も頑張ります。とりあえず2月末くらいで今の世を忍ぶ仮の会社らしきものを立ち去ることができそうなので、その先のことを考えないといけないっす。考えてからじゃないんだ、と社会人失格の目線が冷ややかに注がれた気がしますが構わず、約3年前にもやった「わたしのスペック公開」を再び。以下の情報でピンと来たらすぐにコンタクトを!!
  • レコーディング・ミキシング歴が我流で約10年。ハードディスクレコーダーとマイクを練習スタジオに持ち込んでツインギターバンドの1発録りから全パートバラ録りまで対応します。実績は犬録音諸作品のほかTheキャンプ(EPとフルアルバム)、THE ACT WE ACT(コンピ提供音源)など。
  • 楽曲制作・アレンジ・各種楽器演奏・ボーカル・DTM制作します。実績はDOIMOIでのフジロック07「ROOKIE A GO-GO」出場(音源審査のみによる)、その他犬録音諸作品など。譜面読み書きOK。作風は調整可能なのでご依頼時にコールしてください(重めがおすすめ)。ロックギターなら講師的なこともできるかもしれない。特殊技能はデス声(ガテラルからブラックメタル風まで)。
  • 各パート採譜します。高校~大学時代に個人的に実績多数あり。ギター・ベースはもちろんタブで。最難記録はDREAM THEATERの"Learning To Live"(「IMAGES AND WORDS」収録)。
  • WEBサイト制作の実務経験が約3年。この場で公開できる自分関係以外の実績はSTIFF SLACKのオフィシャルサイト(2010年のリニューアル後)。SEO対策も考慮しながら、HTML+CSS手入力で礼儀正しくマークアップします。プログラム関係は、CGIやJavaScriptの既成ものを組み込む程度なら可。ヒアリング、構成提案、デザイン、コーディングまで一貫対応。
  • Photoshopでの画像編集、Illustratorでの印刷物データ作成します。Illustratorは業者にオンライン入稿可能な完全データで制作。ここで公開できる実績はDOIMOIのアルバムのアートワーク全面やイベントのフライヤーなど。
  • 音楽ライターとして執筆します。実績は朝日新聞名古屋版の夕刊に隔月ペースで書いているライブ評(文化部のデスクさんからご好評との事!!)、フリーマガジン・SCHOPでのディスクレビュー、国内プログレレーベル・POSEIDONの海外アーティスト招聘時インフォ用のコメント、不定期刊行のディスクガイド・MAG FOR EARSでのディスクレビューなど。ヘヴィメタルについて、もしくはメタル目線からの何かについてなら評論的なこともします。
  • TOEICスコアけっこういいです。(ただし飛行機に乗ったことはない)
  • ゴールド免許を所持のみしています。(最後に行使してから約10年)
こんなものが全てとは、狭い。との危機感を持つのが遅すぎた三十路過ぎ。ともあれご連絡はdoimoi@inurokuon.comまで。当方名古屋在住、SOHO大歓迎(そうとなったら固定電話引きます)。
STEVE VAI「FIRE GARDEN」

本日のレビュー:STEVE VAI「FIRE GARDEN」

96年作。裏ジャケの更に裏のトレイ下の面に、「もともとインストと歌入りの2枚組のつもりで制作されたものを1枚のCDで出した」とあるとおり、PHASE IとPHASE IIに分かれた全18曲。ドラム以外の演奏は全部自分、という曲が多く、ドラマーにはグレッグ・ビソネット、ディーン・カストロノヴォ、マイク・マンジーニなど、ゲストヴォーカルに名盤「SEX & RELIGION」で発掘したデヴィン・タウンゼントなどが抜擢されています。
ハードロックのギターインストは、メタラーの私でも基本的につまらないと思っていますが、ヴァイ先生は別格。奇抜なセンスと常識外のテクニック、楽曲性を決してお座なりにしない仕上げ方とで、必ずいくらかの驚きをもって楽しめる音楽作品に仕上げてくれる人です。ベタさを身軽に迂回しながらも結果的に正当性が感じられる奇跡のコード進行を連発するその上で(全然そんなこともないオーソドックスな型をなぞった曲も割と多々ありますが)、リードギターはニュアンス・タイミング感ともに完璧、フレージングの妙は脱出芸をするマジシャンの如し。ワーミーその他の飛び道具系エフェクトにも決して乗られることなく乗りこなす。
芸風はそう変化することがないですが、ザッパのもとを卒業したての80年代のソロはとにかくエキセントリックでブッ飛びっぱなしだったのに対し、90年代以降は作品を追うごとに心の広さというか神々しさというか、人を巻き込む大きな存在という雰囲気を醸し出すようになってきています。デイヴ・リー・ロス・バンドでの華々しいイメージ、WHITESNAKEをサーカス団みたいにしたという悪者に近いイメージから、あんまりちゃんと聴いたことないけどあくまでキワモノ、だってギターのボディにも変な穴開いてるし...というあまり良くない印象を持っている人もけっこう少なくないんじゃないかと想像しているんですが、いえいえ、音楽家として大変に優れたお方です。本人がガッツリ歌うアルバム後半も曲によってはジョニ・ミッチェル+KING'S X+TOTO+SHINER(声が似てる)??て感じでかなり最高。非ハードロッカーにもおすすめしたい1枚です。
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