SCSIDNIKUFESIN

August 2010

29 Aug, 2010

本日の収穫、ディスクヘブンの中古コーナーからSTEVE VAI「REAL ILLUSIONS: REFLECTIONS」。ヘブンは最近地下に貸スタジオをオープンさせたそうです。大昔、御器所に店を構えていた頃、離れにあったパンク専門店「エレクトリックサン」を畳んだあとにデス/グラインド専門店として新装開店したときの屋号が「SOUTH OF HEAVEN」(SLAYERに同一タイトルのアルバム有。位置的にもヘブンの少し南にあった)で、FM愛知で凄い深夜に奇跡的に放送していたラジオ番組のタイトルが「HEAVEN TONIGHT」(イングヴェイの曲名から)、それで今回はというと、ヘブンの地下にあるってことで「STAIRWAY」(TO HEAVENってことですな...)だそう。お見事!なのはいいけど、ヘブン本体の経営は相当しんどいらしいので、ヨソではまず見ないであろう80~90年代マイナー盤の死蔵在庫とか、どこで買っても値段の変わらない国内盤新品とか(ヘブンなら15%OFF)、たまにはドカンと買いに行きましょう。通販もやってます→サイトはこちら
STEVE VAI「REAL ILLUSIONS: REFLECTIONS」

本日のレビュー:STEVE VAI「REAL ILLUSIONS: REFLECTIONS」

2005年のスタジオアルバム。デイヴ・リー・ロス・バンド時代の盟友ビリー・シーンが全面参加で、更に何曲かではグレッグ・ビソネットも叩いているというちょっと豪華なお膳立てつき。このアルバムのツアーではビリーに加えてトニー・マカパインなんかも含むメンツで廻っていたようです。
前置きはさておいて、このアルバムはメタルを少しなら許容するという人、メタル界の中の偉人には多少興味があるという人にもぜひ聴いていただきたいスゴイ内容。デヴィン・タウンゼントを輩出した「SEX & RELIGION」を超えたんじゃないでしょうか。フラッシーな超人プレイと奇特なフックを連発する楽曲性の高さ、アンサンブルの多彩さがどれも満開という感じでせめぎ合う出来で、ギターインストの退屈なイメージとはかけ離れた、優れた音楽作品になっています。どうしてもノーマルになれないヴァイの変態さの切り口がいろいろありすぎてとにかく驚きの連続。30年近くのキャリアになろうという人が。この人が7弦ギターの市販モデルを世に送り出した元祖だということをすっかり忘れてましたが、アップトゥデイトなエグめの低音リフなんかもいい感じにこなしてます。本人によるヴォーカルがけっこうシブくていい味で、DOKAKA風のオーケストレーションにも挑戦してしまうという野心ぶりには感服。
目玉はなんといっても8分にも及ぶラストの"Under It All"。MATS & MORGANとEXIVIOUSとNEVERMOREとDREAM THEATERが合体を果たしたかのような、光条のような激弾きと神々しいコード展開と朗々としたヴォーカルと異常な手数のドラミングが雪崩の如き勢いで蛇行する、この人のキャリアの中でもハイライトになるであろう曲です。「この1曲のために買っても損はない」と久々に堂々と言える。
ちなみにビリー・シーンの影は全編通してまったく感じないので、ファンはご注意。
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28 Aug, 2010

▼DOIMOIの練習→近所で昼食→ログメンの練習→長久手の焼き鳥屋「花咲かじいさん」で夕飯、というログメンのライブ前によくあるコースの一日。DOIMOIは昨日の日記で書いたTHERGOTHONみたいなBPM=18の曲が上手くまとまりそうで、ログメンも前からやっていたレパートリーはかなり仕上がっています。1曲を完成させるのにものすごい心血を注いでいる割にあんまり見られていないログメン、今回はツクモク/ex.Theキャンプのノビさんが歌うDINNER SETとのツーマンです。そろそろ30分座って見ても後悔しないくらいの出来にはなってきたと思いますので、9/11(土)の晩は矢場町・大須あたりへぜひ。フジヤマ55が開いてるくらいの時間に終わるはずです。公演詳細はこちら
▼昼どきに立ち寄った近所のイオンで、大正琴の演奏会みたいなのがあったのでちょっと見てみました。生演奏を目撃するのは初めてだったんですが、エレクトリックギターとピアノのデメリットが集結したみたいな、超フラストレーションがたまりそうな楽器だということを知ってけっこう残念な気持ちに。コーラルのシタールみたいな要領で仕上げればもっと効率のいいエレクトリック琴ができただろうにと思います。
TOTO「IV」

只今のBGM:TOTO「IV」

「普通にやったらどうか」「おおかたのケースはどういう結果か」を知っているかまたは無意識に感じ取った上で、それとは少し違う選択をしてかつ「初めて見るけどそれはあり」とできるだけ多くの人に言わせるのが「おしゃれ」というものだと思っていまして、その意味で最強のおしゃれ盤のひとつがこれだと思います。技術とセンスを持て余した神々の遊び。音楽性について詳しくは以前のレビューを参照のこと。
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27 Aug, 2010

▼ここのところ更新ペースが落ちてるのは曲作りをしようとしているからですどうも。絶対捨てたくないけど何ヶ月も続きができないネタがあって手を焼いているうちに梅雨が過ぎ夏が過ぎてしまう。仕方がないので新しいのに取り掛かってみたものの、THERGOTHONばりの超低速パートをねじ込もうとして早くも座礁気味。そんな中本日の収穫、ヤフオクにて購入のPSYCHOTIC WALTZ「MOSQUITO」。とにかくレアだがめったに需要がない品が、2,000円台からちょっとずつ値下がって1,000円になったところを誰とも競らずにゲット。よし。
コダマの出演者が続々決まってますね、どうやったらいいのか分からないが泊まりで楽しみたいところ。個人的には昔「シロクマ」名義の頃ドラムでサポートしていたこのくまこと澤田君が出るってーのが超ホットです。知る中で最も面白い人の一人なんですが。
PSYCHOTIC WALTZ「MOSQUITO」

本日のレビュー:PSYCHOTIC WALTZ「MOSQUITO」

プログレメタルのかっこうをしながらデスメタルとグランジを同時に侵すかのような質感ももった、孤高の暗黒屈折派バンドの3作目。当サイトでは過去に2ndを紹介済み。このアルバムでは若干倦怠化が進んで、ぐらぐらと中途半端に煮えたグランジ風のパートが多めに。ほとばしる狂気ってなほどのものは前作ほど感じないものの、FEAR OF GODNON-FICTIONに大喜びするような90年代バカにとっては最高であることに変わりのない出来。一番わかりやすくいえばFATES WARNINGミーツ初期SOUNDGARDENか。それだとホメすぎなのでMIND ODYSSEY(声が)ミーツSKIN YARDくらいでもいいです。とにかくピンと来た人は探す価値あり。
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25 Aug, 2010

▼卒業以来一度も行ったことがない高校の同窓会の知らせが来て、行くか否か迷い中の現在。地元にとどまってフーンそこねというくらいの大学を出て、そこからシームレスで相当自由な時間を長い間過ごした挙句、風前の灯火みたいな超零細企業で世を忍ぶ仮の低賃金正規労働をしつつ未だ全力(とも言い難い実情だが気持ち的には)でバンド活動をしている奴なんて他にいないんだろうなー。胸張れないわけではないけども。皆トガッたビジネスシューズ履いて、ちょっと光沢のあるシュッとして明るめの色のスーツ着て、社会人的にアリなソフトモヒカンとかになって「お世話になりますー」なんつって、月給3か月分のボーナスを年に2回もらったりしてんだろうなあ~。
この文面を見てると、結局ちょっとは行きたそうですね。俺行くよって人教えてください。と誰に向けて。
▼急遽決まった来週水曜UPSETのフリーライブ、来てくださいねー!同窓生も可!詳細はこちら
CASTOR「TRACKING SOUNDS ALONE」

只今のBGM:CASTOR「TRACKING SOUNDS ALONE」

SHINER一派の中でも本家の一番あやうい感じの部分をグッと濃く煮詰めたかのような、天の邪鬼エモグランジの中の天の邪鬼王・CASTORの99年のアルバム。多分これが唯一の音源でしょうか。とにかく未解決コードだらけ、テンションだらけ、大衆音楽における「浮遊感」とはこのためにある形容かというくらい、青々しく溶けたような音使いおよび変則リズム展開を得意とするバンドです。かつそのアプローチが楽曲として成功したものにならないと意味がないとよく分かっているようで、とにかく魅力あるフックが満載。確かBRAIDの初期作とかもリリースしていたレーベルの盤で、米アマゾンを見るに今や入手困難なブツの模様ですので、万が一発見した際には即捕獲をば。
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23 Aug, 2010

▼昨日はDOIMOIで新宿NINE SPICESに出演してきました。トップバッターがいきなりkillieでしかも20分強ある新曲1曲のみ披露というものすごいスタートのイベントでしたが、先週のクラブロックンロール同様、当人が楽しめたと思える演奏ができてよかったと思います。みなさんありがとうございます。
今回はリハと本番のあいだに結構時間があったので、それまで昼食をガマンして、愛好家から評価の高いラーメン二郎・目黒店に行ってきました。「ニンニク以外全マシ」なのか「野菜マシ・脂マシ・カラメ」なのか...と散々シミュレートしていたのに、コールのタイミングがまったく分からず(声をかけられたかどうかハッキリしなかったうえ、店主もこっちを見てるのか見てないのかわからない顔つきだったため)、デフォルトをいただく羽目に。あの脂具合なら野菜は増したかった...。各地に点在するいわゆるインスパイア系とは違うもっとシンプルな代物で、認識を新たにしました。次は荻窪狙い。
あと、本当はユニオンにも寄りたかったです。
▼で今日は、休日のランチをやめてしまった池下しらかみのバイキングでココナツカレーをたらふく食し、夜は今池の中華ナンバーワンだと思っている四川園でまた満腹に。はかない世を忍ぶ仮の夏休みの最終日を食で堪能いたしました。長次郎伝もとい「龍馬伝」の私的最終回(22日放送分)はヨメさんが録画しておいてくれたようなので近々見たいと思います。

本日のレビュー:ATHEIST「ELEMENTS」

日曜のライブはこの人達のTシャツを着て臨みました。ということでこちらは93年の3rd。1stはスラッシュ然とした疾走スタイルを力技で変な角度にねじ曲げたような荒々しい音楽性で、2ndになると若干フュージョン色も漂うような手数感を体得。事故死してしまったベーシストの座にCYNICのトニー・チョイを迎えた体制で作られたこのラスト作は、自然現象をモチーフにしたコンセプトアルバムのようなつくりになるとともに、いきなりラテンファンク色を導入して前人未到のハイブリッドテクニカルスラッシュを構築してしまった問題作です。まともに受け継がれたといえばSADISTの2ndくらいでしょうか(知識が10年前くらいで止まっているので最近のことは分かりませんが)、どこまでも妙なのにスパーンと伝わるこんなアルバムはその後なかなか出ていないと思います。
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21 Aug, 2010

▼今日はログメンとDOIMOIの練習と水曜どうでしょうの続きなど。DOIMOIは、明日の新宿ではまだ披露できないですが、新曲がいい具合に仕上がってきてます。
で、最近自分で発見した運指練習で、複雑なソロを弾くときとかに抜群に効果があったのがありまして、これです。(クリックで拡大)
これをきっちりオルタネイトでやります。前半と後半はスタート位置が移動しただけ。小指と薬指に別々の自我が生まれて、速く弾くときにも指板上を冷静に見渡せるようになりました。ポジションをオクターブ上げたり、6~9Fあたりに移動したりといろいろ変えても効果的。イライラを乗り越えてやり通すとある時スパッとやりやすくなるときが来ます。以上、年に数回あるかないかの有益な情報でした。

20 Aug, 2010

▼今日から翌週月曜まで、世を忍ぶ仮の会社の夏休みを個人的に取って、やることも色々あったけど今日はひさびさの平日フリー体験を満喫してきました。
▼昼は「とんかつ 和」の8周年記念・定食全品1,000円企画(8月一杯で終了)で普段絶対頼まない上ロース(大サイズ)だの車海老とヒレの盛り合わせだのを注文、完食。あ、ここで写真を載せられないのが惜しい(ただ単に撮ってこなかった)。「和」はいつ行ってもミスチルの独自編集ベストみたいなのが流れている店で、今日もいきものがかり→コブクロ&絢香ときたので、肉も油も最高だけど音楽の趣味だけが合わん…と思っていたら最後に来たのがYUI。心の中で店主と握手しておきました。
▼そこから、同行したヨメさんの記憶を頼りになぜか高針方面まで自転車(炎天下!!をこぎ、評判がいいらしいというカフェーを覗いてみるも「今のニーズとはマッチしない」との結論に至り、場所だけ覚えて帰路へ。途中、前々から噂は聞いていた池下の「フルーツショップゴトウ」で、100%ストレート果汁+更に果肉ののった凄いかき氷を食す。これは遠方から名古屋に来る人におすすめです(今池ハックとかからぎりぎり徒歩圏内、池下UPSETならすぐ近く)。たぶん真夏でなくてもやっているはず。
▼で夜は大須でCD-Rのスピンドルを買う用事を済ませたあと、屋台のやきそばと唐揚げをベンチで夏らしく食らい、サウンドベイ上前津に寄るも収穫はなく、大人しく帰宅。
…おお何と、日記らしい日記なのか。行動ルートを詳細に開陳することもないなと思ったのですが、今日の行き先はどれもオススメであったので記しておいた次第です。サウンドベイではBARKMARKETの2ndの、DEF AMERICANの名前が入ってない純粋なTRIPLE X盤が安くあって、よっぽど買い換えたいところを我慢しておきました。持ってない人は今から買いにいってください。しまってますけどね(24:13現在)。
RAGE「REFUGE」

只今のBGM:RAGE「REFUGE」

先週実家から持ち帰ってきたブツ。独特の存在感を放つジャーマンメタラーRAGEが93年にリリースした「THE MISSING LINK」からのシングルです。リーダートラックはいかにもメタルらしからぬコード感とアクロバティックな歌メロを高速ビート(METALLICAの"Whiplash"くらい)で走らせた、ユニークで印象的な名曲。ピーヴィー(Vo./B.)がまずひねくれの元凶なんでしょうが、この頃のギタリストだったマンニ・シュミットのそこへの乗っかり方も相当なもんで、いいトリオだったなーと振り返られます。あと「THE MISSING LINK」の録音はドラムサウンドが超ソリッドでかっこいい。ギターはメタルゾーンっぽいギシギシしたディストーションでいまひとつですが。
残る3曲がカヴァーで、目玉はTHE POLICEの"Truth Hits Everybody"。かなり原曲に忠実な演奏ながら、サビでメジャーキーにぶっ飛ぶ展開がまんまRAGE節に聞こえてしまう不思議。これはメタルシーンが誇る最も心の広いカヴァー音源のひとつとして記憶されるべきでしょう。それとTROGSという人達の曲と、THE MISSION(ex.SISTERS OF MERCY)の曲。後者は淫靡だがどこか軽いノリのゴシックチューンで、この収まりの悪い感じを愛好するあたりに彼らの独特な立ち位置のゆえんが見えるかのようです。ファンでもスルーしている人が多い盤だと思いますが、安く見かけたら拾っておくべき。

19 Aug, 2010

▼近頃のもっぱらの脳内BGMはCLIMB THE MINDの新作「ほぞ」(のコメント寄稿用にもらったサンプル)。何周かすると少し違った角度から効いてきてまたリピート。そんな中、自分達の次の音源に向けてなんとなく録ったドラムトラックのミックスも進めてまして、いつものことながらフリーのVSTプラグインに世話になりすぎ。ANTRESSとKJAERHUS AUDIOはたいてい信頼できます。
XYSMA「LOTTO」

本日のレビュー:XYSMA「LOTTO」

フィンランドでグラインドロック史に輝かしい功績を残したXYSMAの96年作。ENTOMBEDからのTHE HELLACOPTERS、によく似た流れの変化で、おおよそ類型的なストーナー風レトロック/北欧爆走ロックンロールと化しています、ざーんねん。大名盤「DELUXE」ではモッズビートにデス臭を巧妙に潜り込ませたところに声はあくまでデス声という凄まじい試みを実践していたのに。しかしこれの次のアルバムよりは多少骨太で、普通にNEBULAとかを好んで聴く人におすすめできる安心感とクオリティではあります。
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17 Aug, 2010

▼前の前の日曜に録ってきたDOIMOIのドラムトラックをミックス中、相変わらず難航。職業エンジニアには程遠し。
▼昨日告知した日曜のNINE SPICES、時刻が1時間早まって17:00開場 / 17:30開演になってました。お間違えなくー!我々は14時にはリハを終えるので、電車に乗ってでも足をのばして歌舞伎町以外の二郎に行ければというところ。
DARK ANGEL「DARKNESS DESCENDS」

只今のBGM:DARK ANGEL「DARKNESS DESCENDS」

実家から持ち帰ったブツを久々に聴きました。ジーン・ホグランを擁したUSスラッシャーの86年2nd。こんなに良かったという記憶がないんですが、異常にかっこいい。ダクダクまでいかないロウなアンビエンスを効かせた音作りのもとでとにかく全編激走。卓越したドラミングは勿論のこと(その後の堅実なイメージより全然バシバシ飛ばしてます)、HOLY TERRORをもしのぐような高速リフの嵐のおかげで体感速度が並大抵ではない。SADUSの1stとセットで持っておくべきスピード狂の必須バイブルでした。
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16 Aug, 2010

▼土曜はDOIMOIで新栄クラブロックンロールに出演。何が功を奏したのかまったくもって謎ですが、ここ最近の演奏の中ではダントツで集中してやれて、過去最高に近い(自己)満足。このままのコンディションで来週の新宿にも臨みたいところです。
8月22日 (日) 東京 新宿 NINE SPICES
18:00開場 / 18:30開演
DOIMOI, killie, HABIT, wozniak, imi, しょしょ
前売/当日1,500円
▼昨日はログメンの練習からの実家。ログメンは9月11日に大須の「賽の目」という店(ランの館のすぐ近く)でDINNER SET企画に出させてもらいます。詳細はこちら。実家では食って寝て、残してあったCDをまた20数枚ほど移送。その選別作業は完全にCD屋で試聴するときの気分です。まだいっぱい残ってるうちの7割くらいは潔く売ってしまおうかとも画策中。そしたらZOOMのR16買うぞー。
SUPURATION「THE CUBE」

本日のレビュー:SUPURATION「THE CUBE」

フランスの古株変り種デスメタルバンドの93年作。その後バンド名をSUPと短くしてMISANTHROPEのHOLY RECORDSに移籍する人達です。これはどうも自主らしく、何枚目の作品なのかは不明。「SWANSONG」でのCARCASSもしくは初期GOREFESTのような、やたらジャキジャキと整ったダウンチューニングリフを飄々と使いこなし、BEYOND DAWN的なオルタナゴシック感覚も持ち合わせた、かなりおしゃれな作風。これを録っていた92年はメロディックデスが騒がれ始めるより全然前で、PARADISE LOSTもまだガッツリこわもてで頑張っていた時期ですので、これだけトンガったアプローチをしかもごくごく整然とやってしまっていたとは相当なパイオニアであります。だからといって大して耳に残る曲はないというのがこのバンドの中途半端なところではあるのですが、とりあえず先駆者としての功績は称えたいところ。
[myspace]

13 Aug, 2010

▼不吉なこの金曜、特に良いことも悪いことも起きませんでしたが、千種Rの汁なしを濃いめでオーダーできることを知ったのは収穫でした。濃いめうまかった。で明日のDOIMOI@新栄クラブロックンロールは、1ヶ月半待ってようやく届いたロニーTシャツ着用で頑張ります。
EVILDEAD「ANNIHILATION OF CIVILIZATION」

本日のレビュー:EVILDEAD「ANNIHILATION OF CIVILIZATION」

13日の金曜日ってことでDOKKENの"Dream Warrior"が入っている「BACK FOR THE ATTACK」にしようかと思った次の瞬間、それは「エルム街の悪夢」だった!!と気が付き、この際ホラー映画絡みなら何でもいいやということで、「死霊のはらわた」の原題と同じバンド名のこの人達で。元AGENT STEELのギタリストを擁するスラッシャーの89年1st。ジャケはエド・レプカ(初期MEGADETH諸作も手掛ける)ですね。音としてはまあとにかく筋金入りのB級スラッシュで、メンバーの出自もあってかちょっとジットリしたニオイを放つ神経質なリフ(シュミーア在籍末期DESTRUCTION似?)を多用しながらも、スパスパスパッと機動性高めに気持ちよく決めてくれるというバランスがなかなかナイス。NASTY SAVAGEとかが好きならいっておくべきでしょう。飽き足らないマニア向けではあるが良作です。
この手の音源はもっと歴史的名作とされていても入手困難なものが山ほどありますが、このアルバムはなぜかマメに再発されている様子。
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12 Aug, 2010

▼僭越ながらCLIMB THE MIND新作のコメントを書かせてもらうべく、世を忍ぶ仮の仕事帰りにSTIFF SLACKに立ち寄ってサンプルCD-Rをゲット。帰ってからかれこれ3~4周は聴きました。レビュー欄は原則、探せば買えるものを載せることにしているので、10月(去年のDOIMOIと同じ10月10日発売、何かちょっとうれしい)に改めてじっくり書きたいと思います。"残された植物たちは噂話に花を咲かす"のくだりは2010年のベスト・ワンフレーズに決定。
▼myspaceの管理画面でフレンドの更新情報が載る欄に、twitterのコメントやら何やらが混じる仕様になってからというもの、有益な情報が埋もれてしまってたいそう不便。しかし今日はそんな中、オーストラリアの早すぎたTRAINDODGEことSHIHADが新作をリリースするかしたかでツアー中との情報が。さっそく彼らのページに飛んで、なんだ新曲はブリトニー・スピアーズみたいになっちゃって…と思ったら一番低い弦がA(通常の3音半下)だったからやっぱり好きです。SHIHADのmyspaceはこちら。大昔はもっとガッツィーだったんですが、最近の作風もYEAR OF THE RABBITとかが好きな人にはおすすめです。

11 Aug, 2010

▼5枚だけ買ったサマージャンボが当たりもかすりもしなくて引き続きまじめに生きようと思った今日、1.5TBの外付けハードディスクが到着。Dドライブの中で長年ぐっちゃぐちゃだった大学時代からの録音物データをスッキリ整理。部屋にしても何にしても、「整理する」のって凄く満足しますが、あれがそこに移動するというだけで生産性はまったくない(整理を通して新しく気付く意味とか、スペースが空くことで可能になる生産的活動とか、そういうものなら若干ありますが)ので、日頃からマメに整理できる人間であればなあといつも思います。
HUMAN REMAINS「USING SICKNESS AS A HERO」

本日のレビュー:HUMAN REMAINS「USING SICKNESS AS A HERO」

おもむろに。DISCORDANCE AXIS~BURNT BY THE SUNのドラマーがいたバンドの96年作。ジャケはなんだかダメそうなB級デスのたたずまいですが、中身は全然違って超エキセントリックなグラインド。何かのスイッチで軽々とON/OFFするかの如く自由自在に切り込む高精度ブラストと、ボリューム奏法なんぞを駆使して妙なワビサビを効かせてくるリフがとにかく印象的。「グニャグニャでサイコなグラインド」はBRUTAL TRUTHがいち早く実践していましたが、このバンドはそんな試みをあくまでシラフでやろうとする感じです(多少たしなんでたかも知れないですけど)。まっとうに筋肉と神経を統制してのこの変態ぶり。思えば、その後カオティックブームで激増する変態風バンド群の先駆けだったのかもしれません。
[myspace]

9 Aug, 2010

▼昨日の日記にあった誤字(散髪→散発)を丸一日放置してあったことにさっき気付いて、一人であらら~となりました。関係あるようであんまりない話で、誰にもペン入れされないままの文章が簡単に世に開陳されるワールドワイドウェブ、それを見てクソミソに言葉を覚えてしまう市民、市民がまたウェブ上で…という構造が「あるべき日本語」とされるものの崩壊を凄く早めていることが悪いのかどうなのか、言葉のなりたちなんてものも大抵「○○がなまって△△になりました」みたいなのばっかりなんだからその時々の人達にとってリアルな言葉を使っていけばいいと基本的には思ってますが、例えばそこはとないそはかとないそこはかないそとはかとないそとはかないなんて事になってくると、何かちょっと心配になります。もうちょっとうまく句点を打て。と自分の心配を先にすべき。
POUNDHOUND「MASSIVE GROOVES FROM THE ELECTRIC CHURCH OF PSYCHOFUNKADELIC GRUNGELISM ROCK MUSIC」

只今のBGM:POUNDHOUND「MASSIVE GROOVES FROM THE ELECTRIC CHURCH OF PSYCHOFUNKADELIC GRUNGELISM ROCK MUSIC」

行き詰まったときに手に取りがちなこのアルバム。KING'S Xのベース/ヴォーカル、ダグ・ピニックによるソロユニットの98年1stで、たいへんな名盤です。わーわーと派手ではないがどこまでも奥があるへヴィなリフメイキングと、BEATLESの変格活用だけで四半世紀近くのキャリアをもたせてしまう豊かなヴォーカルラインとハーモニー、それがいろんな方向に振れながらKING'S Xの音楽は今日まで静かに存続してきているわけですが、その中の「太さ」担当ともいうべきこの人のソロは、リフ作りにおいてはダウンチューニングを更に強調してグリグリと粒の巨大なものを頻発し、潔く印象的な言い切り型のヴォーカルもとにかくうなずくしかないような説得力。ポン!へぇー!と一発で合点がいくコロンブスの卵的な曲の数々を、決してお座なりではない形で聴かせてくれるのが素晴らしい。「感動した!」というより「うまい!」という方向に行ってしまうのが、良くも悪くもミュージシャンズミュージシャンと呼ばれ続ける所以なのでしょうが。でもこれ以上うまくやってほしかったなどとは思わない、こんなもの産み落としてくれてありがとうという類の作品。
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8 Aug, 2010

▼セルフ散髪、やると直後は絶対「二度とやらねー」という気分になるのに、3ヶ月経つとそれを忘れて、理髪店に行く煩わしさが勝ってしまうというサイクル。今までなんとかスレスレで失敗せずにきていたのですが、今日はついに側頭部で事故が起き、一部ちょっと夏のツンドラみたいになってるので早くそこだけ伸びてほしいです。
DREAM THEATER「WHEN DREAM AND DAY UNITE」

本日のレビュー:DREAM THEATER「WHEN DREAM AND DAY UNITE」

今日は幕張で彼らがフェス客の度肝を抜いてきてくれたことと思います。何か1枚と思って、3作目「AWAKE」は以前に紹介済み、代表作2nd「IMAGES AND WORDS」は作品として巨大すぎてさらっとは書けないので、とりあえずこのデビュー作で。89年リリース、プロデュースはその後PANTERAやDEFTONESを手掛けて一躍時の人になるテリー・デイト。後々までライブで演奏される代表曲を含みながらも、シンガーが違うということで「まあ駆け出しの1枚よね」てな評価に落ち着くことの多い作品で、おおむね間違ってはいないでしょう。
まず作風については、2nd以降のようなフュージョンの域まで踏み込むハイブリッド感はなく、ポストスラッシュ的なへヴィリフも(まだスラッシュメタルが生だった時期だから当然)見当たらず、QUEENSRYCHEインスパイア系とSHRAPNEL系の間を行きつつ豪勢に盛られたシンセ類がちょっとポンプロック/AOR風なメタラーズ・メタル。ブリッジミュートしながら同じ音程を2回ずつ高速で弾くフレーズの多用もあって、超ド親切なCYNICてな聴き方も可能(たった今発見!)。変拍子やテクニカルなパッセージを入れてもあまり尺を取りすぎずにコンパクトにまとめる時間感覚はRUSH譲り。どうもどこか、「HM/HRとプログレだけ好きな奴が凝り固まって作った盤」という感じがしない最大の要素は、やはり3rdまでで脱退してしまうキーボーディスト、ケヴィン・ムーアが発する音でしょう。大げさなドラマには更にヒステリックな表情を付け足し、柔らかな風情を描く場面もお座なりにならず(メタルバンドのパワーバラードは大抵イントロが始まった瞬間からゴミ箱行きであることが多い)繊細な空間演出をこなし、下品なキラキラにならずして高音域(EQ的な)を効果的に活用するこの人の存在感は、メタル界においてはそれまでにない新鮮なものでありました(その後メランコリックなエレクトロニカ方面へ傾倒していくという顛末も納得)。
で問題のオリジナルシンガー、チャーリー・ドミニシですが、JOURNEYのそっくりバンドにいて甘いAORを歌っていればきっと「いいよーもっと頑張れー」と言われていた器でしょう。声・唱法ともスティーヴ・ペリーとゲディ・リーが6:4みたいな、線は細いが悪くない素材。後釜のジェイムズ・ラブリエが器用で安定感もある人だったためにけちょんけちょんな評価になっているのが可哀想。今は自身のバンド(その名もDOMINICI!)を率いて頑張ってくれてるようで何よりです。myspaceも発見
ということで「DREAM THEATERだけど別物」「知られざる80's USメタル」という気持ちで聴けば全然上級の部類に入る出来の作品かと思います。
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6 Aug, 2010

▼悩み抜いていた外付けHDDをさっきようやく注文。1.5TBが約1万円とかで買えてしまったのですが、初めて所有したパソコン(10年前くらい)はCドライブが1GBないくらいだったことが思い出されます。そして10年後の単位は何バイトが主流になってるんだろうと考えるとヨッタマックもついでに思い出す。
ENSLAVED「ENSLAVED」

本日のレビュー:ENSLAVED「ENSLAVED」

ここ数日はとにかく突き抜けたものを聴きたいモードになっていて、今日はこれ。ノルウェーヴァイキングブラックの草分け、ENSLAVEDのデビュー作。ヴァイキングブラックというのは、滔々としたブラストビートと金切り声で悪魔崇拝と北欧の自然を荘厳に語るノルウェー発祥のブラックメタルの親戚のようなもので、文字通りヴァイキングの世界に焦点をあてたもの。音楽的にも勇壮でガッツィーな色が強めで、MANOWARゆずりの狂信的筋肉バカ・ヴァイブスを堪能できます。このアルバムはその原点ということで、笑えるような開き直りはまだそこまでないものの、全5曲が軒並み6~10分強という異常な気合の入りようで、とにかく猛烈であるとしかいいようがないテンションでまくし立ててきます。力強いというだけで特に泣けるわけではないメロディは独特のあやしさがあり、時々ヒャーッと被ってくるシンセが非常にいいアクセント。この時期のこの手の作品にしては珍しく、演奏にしろプロダクションにしろ結構整っているので、免疫がない人にもおすすめしやすい品です。
今もバリバリの現役で、SATYRICONばりに一皮むけてるようなのでそちらも何かの機会に入手したいところ。
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4 Aug, 2010

▼小学4年生の精一杯の夏休みの工作みたいな解説用ギミックの濫造のために、国民が渋々納める受信料が浪費されていると思うとなんとも言えないよ「ためしてガッテン」よ。あれは深刻。国会で真剣に審議して、代わりに「ピタゴラスイッチ」の27時間特番とか是非やればいい。MELT BANANAばりのスーのハイトーンが次第にかすれて出なくなっていく様子をリアルタイムでかじりついて見届けたい。
UNSANE「UNSANE」

本日のレビュー:UNSANE「UNSANE」

夏の昼間に敢えてノー・クーラーでラーメン的な暑苦しいのを一発。91年のこれは1stフルになるんでしょうか。こんなのがMATADORから出てたってのが凄いです。エンジン音ばっかりブワワワー!と上がっているんだけど一向に発車しない不敵な大型車のような、死ぬほど殺気立ったジャンクハードコア。昨日のBARKMARKETに引き続きクールこの上ないです。鈍器でいて鋭利。かなり上級なグルーヴを持った三人ゆえ、轟音でドシャーッと攻めても野暮ったくならずにテンポよく流れていくのが最高。サウンドプロダクションこそ後期作に比べてパタパタと軽いですが、楽曲の熟成度は既に文句なし。足元の確かなEYEHATEGOD、ハイパスフィルターのかかったHIGH ON FIREてな楽しみ方も可能でしょう。もう何年も前になりますが奇跡の来日公演はほんとに見れてよかった。
[myspace]

3 Aug, 2010

▼へヴィメタル/ハードロックが青少年の健全な成長を妨げ、悪魔信仰に走らせたり自殺願望を喚起したりするとしてその手のバンドを徹底糾弾し、かの有名な「PARENTAL ADVISORY EXPLICIT LYRICS」(保護者の指導が必要な露骨な歌詞)ステッカーの貼り付けを推進した第一人者ティッパー・ゴアという人はメタルリスナーの間ではちょっと有名で(FUDGE TUNNELに彼女のフルネームを冠した曲もある)、その夫であったアル・ゴア(62歳)がなんとティッパーと離婚し、諸悪の根源扱いだったW.A.S.P.の「ANIMAL (FXXK LIKE A BEAST)」などの作品を人生で初めて、爆音で聴きまくって楽しんだというニュースをデイヴィッド・パホがリツイートしていた。と思ったらそのソースは捏造100%のジョークサイトだったそうな…くそ…。
BARKMARKET「GIMMICK」

只今のBGM:BARKMARKET「GIMMICK」

聴いてる間は「結局のところこの人達が一番かっこいい」と思ってしまうBARKMARKETの、リピート率高めな93年作。ロックをこんな風に乗りこなすバンドはいないっす。しかしいつまでも再発されないのは、(アメリカで)中古市場に出回っている盤の量と、今から新しくBARKMARKETを聴きたいという人の数がつりあっているからなのか。「こんなものがおいそれと買える状態にあったら、新しく世に売り出されるCDが売れなくなるから」というレコード業界の陰謀だと信じたい。普通のバンドと一段違うところから音を発してる人達な気がします。
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2 Aug, 2010

▼1TBの外付けHDDでも買ってやろうと思い、その前にPC内を大整頓。大昔の痕跡の類(SCSIDNIKUFESINに至る前の、10年くらい前のしょうもない個人サイトのデータとか…)もいろいろと出てくるわけですが、さすがに何年も経って対面したら笑って見られる余裕もあるだろうと期待したのが大間違いで、こんな奴がいたら今すぐ死んでほしいと強く願わずにはいられない内容に腹が立ち、すぐさま容赦なくすべて消去。10年後に思い返しても後悔はしないでしょう。んで10年後には最近書いてるような内容にもヘッと思ったりするんでしょうね。
で外付けHDDはやっぱりファンつきがいいのか、中身の製造メーカーはWestern Digitalか日立がいいのか、調べてまわるものの情報がいまひとつ乏しくてオロオロとしているところです。そんなの××に決まってる、という真理をつかんでいる方がいらっしゃったらここからそっと分けてください。
DRIVIN'N'CRYIN「SMOKE」

本日のレビュー:DRIVIN'N'CRYIN「SMOKE」

ドラマーがTHE BLACK CROWESの前身バンドにいたという中途半端な小ネタをもつサザンハードロックバンドの93年作。リリースはISLAND。BURRN!やヤングギターのディスクレビューページで名前を見かけた気がしたので中古100円で購入。ボン・スコットとカイ・ハンセンの中間のような不安定なしゃがれダミ声ヴォーカルが何とも愛らしく、曲はだらしないKIXという感じで、超煮え切らないようでいてなかなか楽しい。名曲・名パッセージを期待しちゃいけないが、この空気を欲する向きは少なからず(いや、少ないんだろうけど確実にいくらかは)いるんじゃないでしょうか。くれぐれも315円以下で出会うのを期待しましょう。安値でもう1枚見かけたら買ってしまうかも知れん。
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